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[I-OR204-05] 当院における両側肺動脈絞扼術を伴った段階的外科治療成績
キーワード:外科治療、両側肺動脈絞扼術、手術成績
【目的】左心低形成症候群をはじめとした大動脈弓及び左室流出路狭窄認めた症例また、特に同疾患群に急性循環不全、低体重などを伴った患児に対して当院では2001年から積極的に両側肺動脈絞扼術(BPAB)を行い段階的な外科治療を行ってきた。今回、外科治療成績について検討した。【方法】2001年から2015年の15年間に当院にて初回手術として両側肺動脈絞扼術を行った61症例(内HLHS25例を含む)について後方視的に検討を行った。手術は胸骨正中切開にて施行。左右肺動脈に対して、CV-0もしくはe-PTFE graftから2mm幅のstripを作成しテープとして使用した。【結果】男女比(M:F=36:26)、両側肺動脈絞扼術時年齢8.5±8.6day, 及び平均体重2.69±0.6kg(1.1~4.0kg、2.0kg以下の低体重児は7例)であった。BPAB術後死亡例を術前から全身状態不良の3例に認めた。二心室修復(BVR)を15例に、フォンタン型修復(UVR)を43例(HLHS:26例を含む)に行った。BVRを施行した15例には手術及び遠隔死亡も認めなかった。UVRを目指した43例中35例がTCPC施行(27例)及び手術待機中(8例)であり、Norwood手術後:6例(BPAB時2.0kg以下の低体重児2例)、高度三尖弁閉鎖不全を伴った2症例をBDG手術後に失った。【結論】BPABの手術成績は良好であり、段階的な外科治療にとって有用な姑息手術であると考えられた。また、同時にBVR、UVRともに遠隔成績はほぼ満足できる結果であった。