第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム3(I-S03)
小児心不全治療 -薬剤の基本的な使い方-

2016年7月6日(水) 10:20 〜 11:50 第A会場 (天空 A)

座長:
村上 智明(千葉県立こども病院 循環器内科)
大内 秀雄(国立循環器病研究センター 小児循環器科)

I-S03-01~I-S03-05

10:20 〜 11:50

[I-S03-01] 心不全治療 薬剤の基本的な使い方 強心薬

大崎 真樹 (静岡県立こども病院 循環器集中治療科)

心不全患者へのカテコラミンの使用は長期的には生命予後を改善しない、むしろ生命予後を悪化させる、といったデータがFIRSTやADHEREのサブ解析結果1),2)から出されている。ACEIやβ遮断薬など心保護療法の隆盛とともに役割が小さくなってきた強心薬だが、急性期治療の現場では低心拍出症候群(LCOS)やショックなど、強心剤を使用せざるを得ない時もしばしばある3),4)。ギリギリだった心機能が一時的なサポートで改善し、慢性期治療へとスムーズに移行していくこともよくあり、小児循環器科医としては使い方を熟知しておかなければならない重要な薬物である。

このシンポジウムでは強心剤を1)どのような時に、2)何を目標に使用するのか、を病態生理から考えてみたい。

1) O’Connor CM et al, Am Heart J 1999;138:78-86.
2) Abraham WT et al, JACC 2005;46:57-64.
3) 日本循環器学会編 急性心不全ガイドライン2011
4) Dickstein Km et al, Eur Heart J 2008;29:2388-442.