15:35 〜 17:05
[I-S07-02] Though it may be too late now… ―高度三尖弁逆流をともなう修正大血管転位症の介入時期について―
修正大血管転位症では、房室弁(特に左側三尖弁)の異常をともなう症例が多く、三尖弁逆流は予後を規定する重要な因子の一つとなる。Ebstein化した弁で、比較的早期から逆流が現れる症例もあれば、成人になってsubaortic RVの機能低下にともなって顕性化してくる症例もある。いずれの場合も時期を逸しない介入が必要だが、弁形成が効果的でないこともあり、弁置換の適応となることが多い。
subaortic RVの機能低下が軽度であれば、三尖弁逆流があっても無症状で比較的良好なQOLを維持している症例もある。しかし、subaortic RVの機能低下が進行すると、逆流を止めることで、心室は後負荷に耐えられなくなり、さらなる機能低下を来たす可能性があるため、弁置換の至適時期については議論が多い。
当施設ではこれまで、三尖弁置換術を7例に施行している。このうちEbstein like deformityが1例含まれる。 4例に先行手術があり、それぞれConventional Rastelli 2例、PA banding 後debanding 1例、心臓再同期療法(CRT)植え込み1例。平均追跡期間は6.5±4.2年。早期死亡が1例(心不全)あり、1例で遠隔期に心臓移植に至った。5、10年生存率(心臓移植回避も含む)は、いずれも71.4%。血中BNP値 は、術前201.8 ± 265.7 pg/ml、術後39.4 ± 42.3 pg/mlと有意に減少した。術前の右室拡張末期容積(RVEDVI)124.4 ± 54.4 ml/m2、右室駆出率(RVEF)RVEF 43.8 ± 11.4 %。術後にはRVEDVI 75.0 ± 33.0 ml/m2、RVEF 40.5 ± 17.7 %と、右室容積は縮小する傾向にあったが、駆出率は変わらなかった。
これらの当院での経験と現時点での研究成果をふまえ、治療介入の至適タイミングについて論じる。
subaortic RVの機能低下が軽度であれば、三尖弁逆流があっても無症状で比較的良好なQOLを維持している症例もある。しかし、subaortic RVの機能低下が進行すると、逆流を止めることで、心室は後負荷に耐えられなくなり、さらなる機能低下を来たす可能性があるため、弁置換の至適時期については議論が多い。
当施設ではこれまで、三尖弁置換術を7例に施行している。このうちEbstein like deformityが1例含まれる。 4例に先行手術があり、それぞれConventional Rastelli 2例、PA banding 後debanding 1例、心臓再同期療法(CRT)植え込み1例。平均追跡期間は6.5±4.2年。早期死亡が1例(心不全)あり、1例で遠隔期に心臓移植に至った。5、10年生存率(心臓移植回避も含む)は、いずれも71.4%。血中BNP値 は、術前201.8 ± 265.7 pg/ml、術後39.4 ± 42.3 pg/mlと有意に減少した。術前の右室拡張末期容積(RVEDVI)124.4 ± 54.4 ml/m2、右室駆出率(RVEF)RVEF 43.8 ± 11.4 %。術後にはRVEDVI 75.0 ± 33.0 ml/m2、RVEF 40.5 ± 17.7 %と、右室容積は縮小する傾向にあったが、駆出率は変わらなかった。
これらの当院での経験と現時点での研究成果をふまえ、治療介入の至適タイミングについて論じる。