第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

外科治療2

一般口演2-02(II-OR202)
外科治療2

2016年7月7日(木) 17:05 〜 17:55 第C会場 (オーロラ ウェスト)

座長:
新保 秀人(三重大学医学部 胸部心臓血管外科)

II-OR202-01~II-OR202-05

17:05 〜 17:55

[II-OR202-02] Non confluent PAを伴った単心室症例に対して自己心膜ロールを用い, 肺動脈形成術を行った症例の検討

新冨 静矢1, 岡村 達1, 梅津 健太郎1, 原田 順和1, 安河内 聰2, 瀧聞 浄宏2, 武井 黄太2, 田澤 星一2, 仁田 学2, 島袋 篤哉2, 百木 恒太2 (1.長野県立こども病院 心臓血管外科, 2.長野県立こども病院 循環器小児科)

キーワード:non confluent PA、自己心膜ロール、肺動脈形成術

【背景】Non confluent PAを伴った単心室症例に対して肺動脈形成術を行う際, 直接吻合, 自己心膜や人工血管等を用いて再建する方法があるが, 特に左右肺動脈間の距離が離れている場合, 再建方法は様々である.【目的】当施設では左右の連続性のないNon confluent PAを伴った単心室症例に対して自己心膜ロールを用い, 肺動脈形成術を行っている. 今回自己心膜ロールを使用し肺動脈再建を行った5症例について検討した.【結果】全症例において両側の体肺動脈短絡術(BTs)を経て, 肺動脈再建を施行している. 肺動脈再建前心臓カテーテル検査結果はRPA径10.2±1.5mm, LPA径9.9±3.8mm, RPAP13±4.4mmHg, LPAP13.4±2.6mmHg, 両側肺動脈間距離28.7±2.1mmであった. 肺動脈形成術時の年齢は2.2±0.5歳, 体重は9.8±1.1kgであった. 自己心膜ロールの周径は14-15mmで作成した. 同時手術としてBDGを4例, BTsを1例に行った. 5例中4例のTCPC後心臓カテーテル検査結果はRPA径10.8±1.4mm, LPA径8.4±0.7mm, RPA圧11.5±0.9mmHg, LPA圧12.0±0.7mmHgであった. 1例は狭窄を生じ, ステントを留置を必要とした.【結論】Non confluent PAを伴った単心室症例に対して自己心膜ロールを用い, 肺動脈形成術を行った症例は手術死亡, 遠隔死亡ともに認めておらず経過は良好であるが, 吻合部狭窄を発生させない工夫を検討していく必要がある.