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[II-TOR03-01] 先天性心疾患の胎児診断を受けてから姑息手術を経て退院後の生活に至るまでの母親の気持ちの変化
キーワード:先天性心疾患、母親、気持ちの変化
【目的】先天性心疾患(以下CHD)は、胎児期に発見されることがあり、妊娠中の母親にとって衝撃的な出来事であると言われている。しかし、一連の母親の気持ちの変化については明らかになっていないため、胎児診断から姑息手術を経て退院後の生活に至るまでの時期別における母親の気持ちの変化を明らかにすることを目的とした。【方法】対象:小児泉門病院1施設で胎児診断を受け、出生後からすぐに院内で入院管理となり姑息手術を経て退院した児の母親(経産婦)4名。研究期間:2015年9月~10月。分析方法:インタビューガイドを用いて半構成的面接にて時期別における母親の気持ちを聴取し、カテゴリーに分類した。倫理的配慮:電話・書面で研究の趣旨や参加は自由意志であることなどを説明し、同意を得た。所属施設の倫理委員会の承諾を得た。【結果】時期別の母親の気持ちに関するカテゴリーは、胎児診断時には≪CHDが見つかったことへのショック≫等、出生時には≪CHDをもちつつも無事に生まれたことへの嬉しさ≫等、NICU入院期間中には≪初めての環境にいることへの母親の戸惑い≫等、ICU入院期間中には≪術後の子どもの姿をみた衝撃≫等、一般病棟(転棟直後)入院期間中には≪子どもと同室できる喜び≫等、一般病棟(退院決定後)には≪退院後のCHDを持つ子どもとの生活への不安≫≪状態が安定したことへの喜び≫等、退院後から初回外来までの期間の気持ちは≪CHDの子どもを育てる難しさ≫等に分類された。【考察】各時期の母親の気持ちには、各時期にマイナスの感情だけではなく、プラスの感情も含まれており、不安の内容は最初漠然としていたが経過とともに具体的なものへと変化していた。治療過程により複数の病棟がCHDを持つ母親に関わるため、母親の心理面に関する情報を病棟間で共有し、継続看護ができるように更なる病棟間での密な連携が大切であると考える。