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[II-TOR03-04] 心臓手術を受けた新生児・乳児をもつ母親のICU入室初期の面会における体験
Keywords:先天性心疾患術後、新生児・乳児、ICU面会
【背景】CHD術後でICU入室初期の患児の状態は不安定であり,母親の動揺も激しく,母親とICU看護師の関係性が構築していないこと,家族情報が少ないことから母親のおかれた状況に合わせたニーズを理解することは難しく,手探りで支援を行っている。【目的】心臓手術を受けた新生児・乳児をもつ母親のICU入室初期の面会における体験を明らかにする。【方法】質的記述的研究。心臓手術を受けICUに入室した子どもの母親4名に,半構成的面接を行い質的帰納的に分析した。【結果】子どもを手術室に送り出した母親は,<手術終了時間を過ぎても終わらない手術に子どもの命の危機を感じ,居ても立ってもいられない>状況にあり,<初回面会では,子どもの命が危険な状況を目の当たりにして罪悪感を抱く一方で,手術に耐えてくれたわが子の頑張りを感じる>一面もあった。<手術が終わっても24時間の“ヤマ”を越えるまでは,子どもの命がどうなるかわからず気が休まらない>状態であり,何度となく子どもの命の危機を突きつけられていた。ICU入室中は,術後24時間の“ヤマ”を越えても<術後の経過が気がかりで,医師の説明や子どもの様子から順調な回復を実感できると安心する>という状況が続いていた。また,<産後は身も心もつらいが,看護師の気遣いや子どもとの面会,家族がそばにいることで気持ちが安らぐ>こともあり,<面会時間の制限があっても子どもと少しでも長くいたい>と切望していた。<いつも子供のそばで看てくれる看護師の配慮に支えられる>と受け止めていた。【考察】母親は初回面会で子どもの命の危険な状況を目の当たりにし,術後24時間が“ヤマ”との説明に命の危機を突きつけられる中でも,手術に耐えてくれたわが子の頑張る姿を見たことで生きているという実感を持てたことが推測された。ICU入室中は子どもの状態が理解できるよう,母親の心身に配慮した支援の重要性が示唆された。