第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

胎児心臓病学3

ポスターセッション(P07)
胎児心臓病学3

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
菱谷 隆(埼玉県立小児医療センター 循環器科)

P07-01~P07-06

13:50 〜 14:40

[P07-06] 当院における10年間の胎児心臓超音波スクリーニング

太田 宇哉, 山田 佑也, 野村 羊示, 西原 栄起, 倉石 建治 (大垣市民病院 小児循環器新生児科)

キーワード:胎児心疾患、胎児心臓超音波検査、スクリーニング

【背景】以前より当院では異常を疑われた症例や家族歴のある妊婦を対象に胎児心臓超音波検査を施行してきた。2009年から胎児心臓超音波検査が高度先進医療として認可を受け、産婦人科と協力し胎児外来を開設した。2010年より保険適応となり、家族歴のある妊婦や精査を希望される妊婦が増加傾向にある。当科が関わった胎児心臓超音波検査のスクリーニング症例について報告する。【方法】2006年1月より2015年12月の10年間に施行した胎児心臓超音波検査全370例中、胎児異常、双胎などを除いたスクリーニング症例122例を対象とし後方視的に検討した。【結果】前半の5年間に受診されていたのは20例であり後半5年は102例と増加傾向であった。122例中の内訳はnuchal translucency(以下NT)12例、家族歴が54例、精査希望が56例であった。平均在胎週数はNT 23.0週(range20-28週)、家族歴25.7週(range19-36週)、精査希望26.1週(range17-37週)であった。受診時平均年齢はNT 30.8歳(range21-39歳)、家族歴30.6歳(range21-41歳)、精査希望33.5歳(range21-45歳)であった。胎児期に心疾患が判明したのはNT 1例(SVCabsent)、家族歴1例(VSD)であった。出生後に心疾患と診断したのは、家族歴1例(PDA)、精査希望2例(VSD,ASD)であった。【まとめ】胎児評価を行う専門外来を受診される症例は一般人口に比して先天性心疾患の割合が4.1%と高いものであった。精査希望で受診される症例は高齢の傾向があった。出生後に診断した3例中2例に関しては胎児診断は困難であり一定の効果はあったと考える。