第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

胎児心臓病学4

ポスターセッション(P08)
胎児心臓病学4

2016年7月6日(水) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
竹田津 未生(旭川厚生病院 小児科)

P08-01~P08-05

18:00 〜 19:00

[P08-03] 子宮内胎児死亡/新生児死亡に至った胎児心臓超音波検査施行例の検討

三宅 啓1, 黒嵜 健一1, 井門 浩美2, 坂口 平馬1, 北野 正尚1, 帆足 孝也3, 鍵崎 康治3, 市川 肇3, 吉松 淳4, 白石 公1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 生理機能検査部, 3.国立循環器病研究センター 小児心臓外科, 4.国立循環器病研究センター 周産期婦人科)

キーワード:胎児心臓病、胎児超音波検査、予後

【はじめに】胎児心臓超音波検査(FE)は先天性心疾患の胎児診断は広く施行され、当科でも新生児入院の過半数をFE施行例が占める。子宮内胎児死亡(IUFD)/新生児死亡に至ったFE施行例の検討をおこなった。【対象・方法】2011年1月から2015年12月までにFEを施行した275例中、IUFD、もしくは生後初回入院で死亡退院に至った25例を後方視的に検討した。【結果】初回FE施行時在胎週数は中央値30週(範囲23-37週)。IUFD群10例、新生児死亡群15例。IUFD群の主疾患はEbstein病/三尖弁異形成2例、両大血管右室起始症2例、拡張型心筋症など。胎児水腫を4例(40%)に合併した。全身合併症は4例(40%)に認め、18トリソミー、13トリソミー、22q11.2欠失症候群、FBLN4遺伝子異常であった。IUFD診断時の在胎週数は中央値34週、平均体重は1863gであった。新生児死亡群15例で男性7例、出生週数の中央値37週(28-40週)、出生体重は中央値2590g(980-3736g)であった。主疾患は左心低形成症候群(variant HLHS例含む) 4例、Ebstein病/三尖弁異形成3例、肺静脈閉塞合併右側相同心3例などであった。動脈管依存例は12例(80%)。全身合併症例は5例。手術施行例は10例で、初回手術日齢の中央値3(0-32日)。手術はNorwood術3例 体肺動脈シャント2例などであった。死亡日齢は中央値14日(0-113日)。死亡原因は心不全9例、敗血症4例などであった。【総括】FE施行例中9%にIUFD/新生児死亡を認めた。IUFD群は40%に胎児水腫及び全身合併症を併発していた。生後24時間以内での死亡例は3例に全身合併症の併発を認め、1例は右側相同心に肺静脈閉鎖を合併したものであった。今後も症例の蓄積と検討が必要である。