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[P16-04] 胎児発育遅延児の心機能評価
Keywords:胎児発育遅延、心機能、心エコー
【目的】近年、胎児発育遅延(FGR)児で、血管の内膜中膜複合体の肥厚が指摘され、心機能の低下の報告も散見される。一方、心エコー検査による心機能の新しい指標も確立されてきた。そこで、心エコーを用いてFGR児の心機能を評価した。【対象と方法】対象は当センターNICUに入院した循環動態の安定していたAsymmetrical FGR児36例(在胎週数36.5±3.0、出生体重1923±470g)で、在胎週数を一致させた非FGR児36例(在胎週数36.5±3.0、出生体重2954±1792g)をコントロール群とした。心エコー検査は出生0~1日に行い、心奇形がないことを確認後、Mモード法による壁の計測、Doppler法による流入血流速度、壁運動速度を計測した。統計学的検討はt検定を用い、p<0.05を有意とした。【結果】2群間の比較では、IVSd(3.53±0.86mm vs 3.92±0.94mm)、IVSs(4.37±1.27mm vs 4.88±1.11mm)、LVPWd(2.30±0.54mm vs 2.70±0.75mm)、LVPWs(3.48±0.82mm vs 3.97±0.83mm)で、Asymmetrical FGR群で有意に小さかった。EF、E/A、E/E´、DWSには両群間に有意差は無かった。【結論】Asymmetrical FGR児では心筋は薄いが、心収縮能や拡張能の低下、心筋の硬さの異常は無い。