6:00 PM - 7:00 PM
[P17-02] 大腿動脈にカテーテルシースを留置することで反射波は増大する
Keywords:加速度脈波、反射波、中心血圧
【目的】近年、非侵襲的脈波解析を目的とした医療機器が様々開発されているが、脈波解析のgolden standardは侵襲的に記録された圧波形解析である。しかしながら外部から大腿動脈を圧迫すると脈波は変化することが報告されており、シース留置・カテーテル挿入といった操作自体が脈波に影響を与える可能性がある。本研究の目的は大腿動脈へのシース留置が脈波に及ぼす影響を検討することである。
【方法】対象は当院でカテーテル検査を施行した体重が10kg以上の症例14人。大腿動脈にシースを留置する前後での加速度脈波をDYNA PULSE SDP-100(FUKUDA DENSHI)を用いて計測した。得られた脈波形から波高比b/a(血管の伸展性を表す。進展性が増すほどb/aは低下する。)、d/a(反射波の大きさを表す。反射波が増すほどd/aは低下する。)を算出し、シースを留置する前後での変化を比較検討した。本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得ている。
【結果】対象は平均年齢4.4歳(1‐12歳)、男児11例女児3例、心疾患はPDA2例ASD2例TOF3例AVSD1例TA1例PS1例IAA1例HLHS1例IVI2例(Down症候群を2例含む)。全身麻酔4例局所麻酔10例で検査が行われた。b/aは-0.561±0.024(シース留置前)vs -0.554±0.018(シース留置後)(p=0.690)と有意な変化を認めなかったが、d/aは-0.151±0.019 vs -0.194±0.024(p=0.001)とシース留置により有意に低下した。HR(94.1±4.0/min vs 91.6±3.7/min(p=0.215))はシース留置の前後で有意な変化を認めず、上腕cuff BP計測によるSBP(90.1±3.4mmHg vs 88.2±2.9mmHg(p=0.115))、DBP(45.2±2.7mmHg vs 41.9±2.7mmHg(p=0.055))、PP(44.9±2.7mmHg vs 46.4±2.5mmHg(p=0.223))に関しても有意な変化を認めなかった。
【結論】大腿動脈にシースを留置することで反射波の増大が起きていると考えられた。大腿動脈からのアプローチによるカテーテル検査は脈波に影響を与え、生理的な中心血圧を記録できない可能性が示唆された。
【方法】対象は当院でカテーテル検査を施行した体重が10kg以上の症例14人。大腿動脈にシースを留置する前後での加速度脈波をDYNA PULSE SDP-100(FUKUDA DENSHI)を用いて計測した。得られた脈波形から波高比b/a(血管の伸展性を表す。進展性が増すほどb/aは低下する。)、d/a(反射波の大きさを表す。反射波が増すほどd/aは低下する。)を算出し、シースを留置する前後での変化を比較検討した。本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得ている。
【結果】対象は平均年齢4.4歳(1‐12歳)、男児11例女児3例、心疾患はPDA2例ASD2例TOF3例AVSD1例TA1例PS1例IAA1例HLHS1例IVI2例(Down症候群を2例含む)。全身麻酔4例局所麻酔10例で検査が行われた。b/aは-0.561±0.024(シース留置前)vs -0.554±0.018(シース留置後)(p=0.690)と有意な変化を認めなかったが、d/aは-0.151±0.019 vs -0.194±0.024(p=0.001)とシース留置により有意に低下した。HR(94.1±4.0/min vs 91.6±3.7/min(p=0.215))はシース留置の前後で有意な変化を認めず、上腕cuff BP計測によるSBP(90.1±3.4mmHg vs 88.2±2.9mmHg(p=0.115))、DBP(45.2±2.7mmHg vs 41.9±2.7mmHg(p=0.055))、PP(44.9±2.7mmHg vs 46.4±2.5mmHg(p=0.223))に関しても有意な変化を認めなかった。
【結論】大腿動脈にシースを留置することで反射波の増大が起きていると考えられた。大腿動脈からのアプローチによるカテーテル検査は脈波に影響を与え、生理的な中心血圧を記録できない可能性が示唆された。