第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療2

ポスターセッション(P19)
カテーテル治療2

2016年7月6日(水) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
須田 憲治(久留米大学医学部 小児科)

P19-01~P19-06

18:00 〜 19:00

[P19-04] 閉鎖したfenestration付き心房中隔PTFE patchに対してNykanen RF Wireで穿通し、バルーン血管形成術を行った肺静脈狭窄の1例

三木 康暢, 田中 敏克, 谷口 由記, 祖父江 俊樹, 平海 良美, 亀井 直哉, 小川 禎治, 富永 健太, 藤田 秀樹, 城戸 佐知子 (兵庫県立こども病院 循環器科)

キーワード:Nykanen RF Wire、fenestration、pulmonary vein stenosis

HLHS intact Atrial SeptumやPAIVSのPulmonary valve atresiaに対するNykanen RF Wireを用いた穿通が2014年から本邦でも可能となった。生体組織でないPTFEに対しては通電できず穿通は不可能である。今回、心房中隔PTFE patchのfenestrationの閉鎖に対してRF Wireによる穿通が有用であった1例を経験した。
症例は3歳男児。総肺静脈還流異常症(1a)に対して日齢1に修復術が施行された。術後肺静脈狭窄を生じ、外科治療4回、カテーテル治療4回繰り返していた。外科治療の際、再狭窄に対してカテーテル治療を行う目的でfenestration付きpatchで心房中隔を閉鎖していた。2歳11か月時に心房中隔patchのfenestrationの閉鎖が確認された。経食道エコーで位置確認を行い、透視でfenestration付近のクリップを目印として、RF Wireによる穿通を行った。計7回の通電でWireが左房へ通過した。後の解析では、7回ともインピーダンスの低下を認めており、正確に通電できたことが確認された。その後Static BASでASDの拡大を行い、肺静脈狭窄に対してバルーン血管形成術を行った。
Fenestrationの再開通にRF Wireは有用であった。透視だけでなく、経食道エコーを併用することで穿通部位の確認に役立った。複数回の通電を要した原因は不明であるが、中隔に対するwireの角度が浅く、壁内に潜り込んでいた可能性が考えられた。