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[P22-05] 母娘連続性に心室細動を起こした左室緻密化障害合併カテコラミン誘発多形心室頻拍(RyR2 exon3 deletion)
キーワード:カテコラミン誘発多形心室頻拍、親子例、心室細動
【背景】我々は母娘ともに左室緻密化障害を合併しRyR2 exon3 deletionが証明されたCPVTをフォローアップしている(Ohno S, et al. Europace 2014)。母娘ともに失神歴を有しデバイス植込み後にも関わらず、運動制限・内服を守っていない事が多く、外来受診毎に病状説明、生活・内服指導、BLS指導を行っている状況であった。今回、娘がVF、引き続き母がVFを起こしたので報告する。【今回までの経過】娘は1と4歳で失神既往。9歳時の太鼓叩きゲーム中の失神で当科受診、12誘導・ホルターでCAVB、トレッドミルで運動誘発性に多形性VT出現、心エコー・MRIでLVNCを認め、福岡市立こども病院でペースメーカ植込み、滋賀医科大学で遺伝子診断をして頂き、運動制限とcarvedilol+flecainideで管理開始。娘9歳受診時に家系検索を行ない、母は26と34歳で運動時失神歴があり、ホルターでほぼ1日中JR、トレッドミルで多形性VT出現、心エコーでLVNCを認め、滋賀医科大学で遺伝子診断をして頂き、娘と同様の管理開始。内服開始後、徐脈による倦怠感が出現し、ICD植込み。繰り返し教育するが、母娘とも病識やや不良であった。LVNC合併例だが、現在までは母娘とも顕性心不全や塞栓症は来していない。【今回の経過】娘は15歳になりICDへのupgrade入院を1か月後に予定していた。母娘でボーリング中に娘が失神。母を含むbystanderでCPR、当院搬入時VF、DC数回施行し洞調律へ。母は付き添いの救急車内で前失神。ICD解析でVF、ショックで停止していた。娘は神経学的後遺症認めていない。【結語】RyR2 exon3 deletionが証明されたLVNC合併CPVT母娘例で、同日にVFを来した。容易にVFを起こすこと、そして運動制限・内服を厳守すべき事が示唆された。