第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈4

ポスターセッション(P25)
電気生理学・不整脈4

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
上野 倫彦(日鋼記念病院 小児科)

P25-01~P25-05

13:50 〜 14:40

[P25-02] 異所性心房頻拍(EAT)・多源性心房頻拍(MAT)の臨床像について考える

大橋 直樹, 西川 浩, 福見 大地, 吉田 修一朗, 鈴木 一孝, 大森 大輔, 山本 英範, 武田 紹 (中京病院中京こどもハートセンター 小児循環器科)

キーワード:異所性心房頻拍、多源性心房頻拍、薬物療法

<背景>自動能亢進を機序とするEAT・MATの臨床経過は比較的良好で、アブレーション治療(ABL)を要する症例はそれ程多くない。また、自覚症状を伴うことや心機能低下を認めることはあまりないが、心機能に対する懸念から薬物療法が施行されている。<目的>EAT・MATの臨床像について考えること<対象>当院で現在薬物療法により経過観察中のEAT・MATの4例<結果>EAT・MAT各2例。男女比=3:1。年齢は2~11.4歳。フォローアップ期間2~3.8年。MATの男児は出生直後に発症、その他3例は5歳以上の発症。薬物コントロール良好な2例でMAT男児例はAMD+β遮断薬、EAT(11.4歳)はAMDを使用。一方、コントロール不良の2例はEAT(9.5歳)で単剤6剤、MAT(8.1歳)は単剤で5剤使用され、EATはABL、MATは2剤併用(flecainide+sotalol)の方針である。BNP値はコントロール不良の2例も正常。ホルター心電図は4~9回施行。<考察>全例BNP値の経時的測定と頻回のホルター心電図を軸にフォローアップされている。薬物コントロール不良で治癒が期待できない場合にABLへ舵を切ることが必要になるが、その判断にはホルターで睡眠中の頻拍出現を鍵に考えている。一方で、コントロール良好な場合は数年薬物療法を継続した後に漸減中止を試みる方針である。<結語>当院ではEAT・MATに対して薬物療法をbridging therapyとし、コントロール不良の場合ABLを選択している。