18:00 〜 19:00
[P40-01] Excor5症例の経験
キーワード:DCM、LVAD、Evcor
【目的】2012年8月に日本初の小児用LVAD(Excor10cc)を治験にて使用し、約6か月後に海外渡航心移植へ導いた。その後4例のDCMに対してExcor植え込みを行い、1例は海外渡航移植、1例は国内での心移植となった。他の2例はExcor運転継続中である。【症例】1.1歳女児、体重6.7kg。海外渡航移植までの約6ヶ月間にポンプ内血栓によるポンプ交換を4回行った。送脱血管皮膚貫通部の感染を併発し、長期の抗生剤投与を必要とした。2.12歳女児、体重25kg。循環動態悪化のため、緊急でECMO導入後にExcor(30cc)植込み施行。2年2か月後に国内での移植となった。本症例も感染を併発したが、ポンプ内血栓による交換はなく、膜への血液濾出による交換を2回必要とした。移植後の経過は概ね順調であったが、タクロリムス脳症を併発した。3.6歳女児、体重15kg。他院でのRota FlowによるLVAD導入後にExcor(30cc)植込みとなった。本症例は自然に送脱血管が左下方へ向き、足の動きなどによる動揺が軽減されたためか感染を併発せず、4か月後に渡航移植となった。4.11ヶ月男児、体重7.9kg。Excor(10cc)植込み後、感染併発し抗生剤継続中である。5.10ヶ月女児、体重3.9kg。Excor(10cc)植込み後1ヶ月で、血液感染によるポンプ交換を必要とした。【結果】5例中、2例は海外渡航心移植、1例は国内での心移植を受けそれぞれ経過順調である。2例はExcor運転中である。5例中4例に送脱血皮膚貫通部の感染を併発し、長期の抗生剤投与を必要とした。【考察】1.Excor植込み後、INRは3.0から3.5を目標に管理したが、10ccポンプではポンプ内血栓による交換を頻回に必要とした症例があった。2.送脱血管の皮膚への固定が感染回避には非常に重要であった。【結語】DCMの小児に対してLVAD(Excor10cc,30cc)植込みを5例に行い、3例は心移植へ到達した。Excorは小児用LVADとして極めて有用と考えられた。