6:00 PM - 7:00 PM
[P45-01] ペースメーカー植込症例の術後経過
Keywords:ペースメーカー、小児、合併症
【背景】先天性心疾患術後の徐脈性不整脈や先天性完全房室ブロックのため、小児期にペースメーカー(PM)植込術の適応となることがある。しかし小児のPMは成人と比して設定心拍数が高く電池消耗が早いことや、植込後の使用期間が長いこと等により、複数回の再植込術が必要となることが多い。【目的】PM植込術後の経過、再手術の頻度、合併症について検討すること。【対象、方法】2003年5月~2015年12月に当院でPM植込術を行った39例を対象とし、generator交換までの期間、術後合併症等を診療録から後方視的に検討した。【結果】術式は心筋電極植込法37例、経静脈植込法2例で経過中に心筋電極法から経静脈法へ変更した例はなかった。先天性心疾患(CHD)合併例は33例(ASD 1、VSD 4、TOF 2、DORV 6、dTGA 3、cTGA 3、AVSD 2、TA 2、単心室 6、左室流出路狭窄 1、大動脈縮窄複合2、冠動脈瘻1)で、8例(24%)が内臓錯位症候群(全例polysplenia)であった。CHD非合併例は6例であった。不整脈の種類は洞機能不全 18例、房室ブロック 21例で、5例(13%)はCHD手術周術期に発生した。初回PM植込術時年齢は4ヵ月~29歳(中央値 6.7歳)。21症例(54%)で複数回のPM植込術が行われ、2回 14例、3回 6例、4回 1例であった。再手術はgenerator交換のみ 20件、generatorとleadの交換 9件で、手術間隔は1→2回目 0.8~7.6年(中央値 5.0年)、2→3回目 2.3~5.4年(中央値 3.7年)、3→4回目 2.3年であった。lead交換時の年齢は6.6~17.6歳(中央値 11.9歳)で交換の原因は断線 5件、電極位置の変動による閾値上昇 2件、原因不明の閾値上昇 2件であった。generatorもしくはleadの感染例はなかった。死亡例は2例あったが、共に不整脈との関連はなかった。【まとめ】複数回の再手術を要する例が多く、generator交換までの手術間隔は回を重ねるごとに短縮する傾向があった。leadの入れ替えは年長児に多く、成長や活動性が増加することの関与が示唆される。