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[P46-03] 心室中隔欠損閉鎖術後に心室中隔内血腫を合併した乳児の2例
キーワード:心室中隔内血腫、心室中隔欠損閉鎖術、流出路狭窄
【背景】VSD閉鎖術後に合併する心室中隔内血腫(IVSH)は、経過観察で消失した報告がある一方で流出路狭窄をきたし外科的治療を要した報告がある。今回私たちは、VSD閉鎖術後にIVSHを合併した乳児2例の臨床経過を報告する。
【症例1】在胎31週5日、出生体重1392g。出生後の心エコー検査で流出路に伸展する傍膜様部VSDと診断された。心不全のため修正37週時(体重1300g)に肺動脈絞扼術が施行され、修正月齢4ヵ月時(体重3700g)にVSD閉鎖術(右房切開経三尖弁アプローチ、手術時間3時間50分、大動脈遮断時間1時間15分)が施行された。ICU帰室後の心エコー検査で14×17mmのIVSHと診断され、同部位の壁運動が低下していた。IVSHは流出路狭窄をきたさなかったため経過観察した。術後7日頃から縮小し、1カ月後に消失した。術直後の心電図で、左冠動脈中隔枝領域にあたるV2~V4のSTが一過性に低下していた。術後1年が経過したが、心室中隔の壁運動は良好に保たれている。
【症例2】在胎34週2日、出生体重1822g。出生後の心エコー検査で流出路に伸展する膜様部VSDと診断された。修正月齢1カ月時(体重3200g)に心内修復術(右房切開経三尖弁アプローチ、手術時間8時間、大動脈遮断時間2時間)が施行された。ICU帰室後の心エコー検査で7×10mmのIVSHと診断された。流出路狭窄をきたさなかったため経過観察した。IVSHは術後1カ月で消失した。術後1年が経過したが、心室中隔の壁運動は良好に保たれている。
【考察】今回の2例は早産児で、VSD流出路に伸展する大欠損であったため乳児期に心内修復術を必要とした。IVSHが出現したが、流出路狭窄はなかったため過去の報告に準じて経過観察し、外科的な血腫除去を回避することができた。
【結語】VSD閉鎖術後のIVSHは稀であり、治療法と予後は明らかにされていない。今後も症例を蓄積し、明確な治療方針を決めていく必要がある。
【症例1】在胎31週5日、出生体重1392g。出生後の心エコー検査で流出路に伸展する傍膜様部VSDと診断された。心不全のため修正37週時(体重1300g)に肺動脈絞扼術が施行され、修正月齢4ヵ月時(体重3700g)にVSD閉鎖術(右房切開経三尖弁アプローチ、手術時間3時間50分、大動脈遮断時間1時間15分)が施行された。ICU帰室後の心エコー検査で14×17mmのIVSHと診断され、同部位の壁運動が低下していた。IVSHは流出路狭窄をきたさなかったため経過観察した。術後7日頃から縮小し、1カ月後に消失した。術直後の心電図で、左冠動脈中隔枝領域にあたるV2~V4のSTが一過性に低下していた。術後1年が経過したが、心室中隔の壁運動は良好に保たれている。
【症例2】在胎34週2日、出生体重1822g。出生後の心エコー検査で流出路に伸展する膜様部VSDと診断された。修正月齢1カ月時(体重3200g)に心内修復術(右房切開経三尖弁アプローチ、手術時間8時間、大動脈遮断時間2時間)が施行された。ICU帰室後の心エコー検査で7×10mmのIVSHと診断された。流出路狭窄をきたさなかったため経過観察した。IVSHは術後1カ月で消失した。術後1年が経過したが、心室中隔の壁運動は良好に保たれている。
【考察】今回の2例は早産児で、VSD流出路に伸展する大欠損であったため乳児期に心内修復術を必要とした。IVSHが出現したが、流出路狭窄はなかったため過去の報告に準じて経過観察し、外科的な血腫除去を回避することができた。
【結語】VSD閉鎖術後のIVSHは稀であり、治療法と予後は明らかにされていない。今後も症例を蓄積し、明確な治療方針を決めていく必要がある。