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[P51-05] 先天性心疾患術後に心房細動に対するカテーテルアブレーションを行った症例の検討
キーワード:カテーテルアブレーション、心房細動、先天性心疾患術後
【背景】先天性心疾患術後に発症する上室性頻拍(SVT)は,先天性心疾患(CHD)心内修復術後遠隔期に出現する最も頻度が高い不整脈合併症である。その多くは心房頻拍(AT)や心房細動(AF)である。近年,心房細動に対するカテーテルアブレーション(ABL)の成績も向上し,CHD術後症例にも適応されることがある。【目的】心房細動のABLを行ったCHD症例を検討した。【方法】2000年4月から2015年10月までにSVTがありABLを受けた110例(36±16歳)を検討した。そのうち9例(38歳±12歳,男性5例)がAFの治療を受けた。1例は外科治療の適応と判断され心房頻拍のABLのみを行い,Fontan(TCPC)とmaze手術を受けた。8例(ASD 2, AVSD 1, one and one half repair 2, TCPC Fontan 1, TOF 2)はすべて発作性AFであった。肺静脈隔離(PVI)とGP ablationに加えてFocal ATやmacro-reentrant ATに対するABLを行った。【結果】TCPC Fontan とTOFの2例ではmaze手術の既往があった。one and one half repair,TCPC Fontan の各1例では下大静脈-右心房間の穿刺から心内へのアプローチを要した。6例ではRA内でのAT/AFLに対するABLも行った。2例はRA内にmultiple focal ATを合併していた。これら2例はRA圧の上昇と巨大RAを合併していた。3例で抗不整脈薬の継続を行っている。全例で合併症はなかった。【まとめ】CHD術後に薬剤抵抗性AFが起こる症例がいる。肺静脈隔離術のみでは治療の限界であり,RA側のABLが必要になることがある。先天性心疾患術後心房細動に対する治療としてABL治療オプションにひとつであるが,十分な治療戦略を練る必要がある。