第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患2

ポスターセッション(P55)
肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患2

2016年7月7日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
髙月 晋一(東邦大学医療センター大森病院 小児科)

P55-01~P55-05

18:00 〜 19:00

[P55-05] フォンタン循環のNO/酸素負荷に対する血行動態変化~肺静脈狭窄(PVO)の有無による相違~

中右 弘一, 岡 秀治, 梶濱 あや, 杉本 昌也, 東 寛 (旭川医科大学 小児科)

キーワード:Fontan循環、PVO、NO/酸素負荷

【背景】フォンタン循環の駆動圧は中心静脈圧であり平均肺動脈圧(mPAP)に依存する。したがって肺動脈を拡張させる事は良好なフォンタン循環を成立させるひとつの手段である。しかし肺静脈狭窄(PVO)を有する場合には、肺うっ血を助長する可能性もあり、肺動脈を拡張させる事が必ずしも良好なフォンタン循環を成立させるとは限らない。【目的】フォンタン循環における急性負荷テスト(NO/酸素負荷)によって、PVOの有無が血行動態に変化を及ぼすか検討すること。【対象・方法】PVOなしのフォンタン患者2名(3歳、11歳)とPVOありの患者1名(4歳)を対象とした。心室および肺動脈にカテーテルを留置し、マスクでNO(20ppm)および酸素(10L/min)を5分間投与し、それぞれの圧変化を測定した。【結果】PVOなしのフォンタン患者ではNO/酸素負荷のどちらもPAWPは変化せず、軽微なRpIおよびmPAPの低下を認めた。RpI(1.6→1.2Um*2と2.6→1.8Um*2)、mPAP(10→9mmHgと15→14mmHg)。PVOを有するフォンタン患者では、NO負荷でPAWPの顕著な上昇(右/左;8/7→12/9)とRpIの低下(2.5→1.3)、酸素負荷をするとさらにmPAPの上昇(右/左;13/13→15/15)も加わった。【考察・結語】PVOを有するフォンタン患者において肺動脈を拡張させることは、PAWPの増加から二次的に肺動脈圧の上昇を招く可能性が示唆された。