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[P64-04] 免疫グロブリン療法不応川崎病の異なったサブグループ
キーワード:川崎病、免疫グロブリン療法、追加治療
【背景および目的】川崎病急性期における追加治療の最適適応診断時期は確立されていない。初回単独IVIGを受けた不応例に対する最適追加治療適応診断時期を探ることを目的として自験例の臨床所見を検討した。【方法】対象は2004年1月~2015年9月に当科で2g/kg/日の初回単独IVIGを受けた144例のうち、IVIG終了後、24時間後に不応と診断された33例とし、後方視的に検討した。初回IVIG不応に対し追加IVIGを受けた11例を追加群(A群)、不応に対し追加治療を受けなかった22例を非追加群(N群)とした。【成績】33例の性比は男/女=17/16、発症年齢は、中央値2歳10カ月であった。冠動脈病変(CAL)はA群の1例にのみ合併した。A群とN群の比較では、A群は久留米スコアーが有意に高く(中央値4 vs2,P=0.023)、解熱病日が有意に遅かった(中央値11 vs 8,P=0.001)。また、A群は初回IVIGから解熱までの期間(日)が有意に長かった(中央値6 vs 3,P<0.001)。N群では、初回IVIGから3日後以降に解熱する症例が認められ,4~7日後の発熱持続例の頻度はA群に比較して有意に低値であった。3日後、4日後のA群 vs N群の発熱持続率は、各々、100% vs 77%(P=0.144)、100% vs 18%(P<0.001)であった。N群の全例が初回IVIG開始日から6日後には解熱し、CALを合併しなかった。初回IVIG終了後、中央値3日後のA群 vs N群の検査所見において、N群のCRP、好中球数は有意に低値であり、血清アルブミンおよびNa値は有意に高値であった。【結論】初回単独IVIG終了後24時間の時点で診断された不応例の2/3は、不応に対する追加治療を受けなくても、初回IVIG開始日から6日後までに解熱し、CALを合併しなかった。追加治療を受けた残り1/3の症例と比較して、検査所見、発熱持続率は初回IVIG開始日から3~4日後に有意差が認められ、この時期が追加治療適応診断に有用であると考えられた。