18:00 〜 19:00
[P65-02] IVIG不応川崎病に対するIFX投与前における髄液検査の重要性
キーワード:川崎病、髄液検査、インフリキシマブ
【背景】
川崎病は経過中に髄膜炎を合併することが知られており、その原因は川崎病自体によるものや大量γグロブリン療法(IVIG)の副反応が考えられている。我々の施設ではIVIG不応と考えられる症例に対して、インフリキシマブ(IFX)投与を考慮した際に細菌性髄膜炎を鑑別する目的で髄液検査を行っており、その結果について報告する。
【目的】
IFX投与を考慮したIVIG不応川崎病に対する髄液検査の必要性を明らかにする。
【対象】
2011年1月から2015年12月までにIVIG不応川崎病の追加治療を目的に当院に転院した9か月から66か月(中央値30か月)の24症例(男児15例、女児9例)。
【方法】
髄液検査、培養結果、IFX投与前後の経過について診療録をもとに後方視的に検討した。髄液細胞数6/μl以上を髄液細胞数上昇と定義した。
【結果】
髄膜刺激症状を呈していた症例はなく、全例で髄液検査前にIVIG(2g/kg)が1-3回施行されていた。髄液細胞数が正常範囲であった5例のうち3例はIFXを投与し、2例は転院後解熱し追加治療は行わなかった。髄液細胞数が上昇していた19症例のうち1例は細胞数が250/μlと著明に上昇しており発熱以外の川崎病症状に乏しく、髄膜炎も否定できなかったためIFXの投与を見合わせたが翌日解熱した。1例は18病日に発熱のみ認めたため再燃もしくは髄膜炎と判断しIVIGの再投与を行った。それ以外の17症例(髄液細胞数 中央値 25/μl, 範囲 6-96/μl)は髄液細胞数が上昇していたが、川崎病急性期症状が残存しており川崎病治療を優先しIFXを投与した。全症例で髄液培養は陰性であり、IFX後に感染症の増悪や髄膜刺激症状はなかった。
【考察】
IVIG不応例と考えられた症例の79%で髄液細胞数が上昇していた。その中でIFX投与を見送ったにもかかわらず軽快した症例を経験した。IFXはIVIG不応川崎病に対する治療薬として認可され、今後より広く使用されると考えられるが、投与前には髄膜炎を念頭に髄液検査を行う必要がある。
川崎病は経過中に髄膜炎を合併することが知られており、その原因は川崎病自体によるものや大量γグロブリン療法(IVIG)の副反応が考えられている。我々の施設ではIVIG不応と考えられる症例に対して、インフリキシマブ(IFX)投与を考慮した際に細菌性髄膜炎を鑑別する目的で髄液検査を行っており、その結果について報告する。
【目的】
IFX投与を考慮したIVIG不応川崎病に対する髄液検査の必要性を明らかにする。
【対象】
2011年1月から2015年12月までにIVIG不応川崎病の追加治療を目的に当院に転院した9か月から66か月(中央値30か月)の24症例(男児15例、女児9例)。
【方法】
髄液検査、培養結果、IFX投与前後の経過について診療録をもとに後方視的に検討した。髄液細胞数6/μl以上を髄液細胞数上昇と定義した。
【結果】
髄膜刺激症状を呈していた症例はなく、全例で髄液検査前にIVIG(2g/kg)が1-3回施行されていた。髄液細胞数が正常範囲であった5例のうち3例はIFXを投与し、2例は転院後解熱し追加治療は行わなかった。髄液細胞数が上昇していた19症例のうち1例は細胞数が250/μlと著明に上昇しており発熱以外の川崎病症状に乏しく、髄膜炎も否定できなかったためIFXの投与を見合わせたが翌日解熱した。1例は18病日に発熱のみ認めたため再燃もしくは髄膜炎と判断しIVIGの再投与を行った。それ以外の17症例(髄液細胞数 中央値 25/μl, 範囲 6-96/μl)は髄液細胞数が上昇していたが、川崎病急性期症状が残存しており川崎病治療を優先しIFXを投与した。全症例で髄液培養は陰性であり、IFX後に感染症の増悪や髄膜刺激症状はなかった。
【考察】
IVIG不応例と考えられた症例の79%で髄液細胞数が上昇していた。その中でIFX投与を見送ったにもかかわらず軽快した症例を経験した。IFXはIVIG不応川崎病に対する治療薬として認可され、今後より広く使用されると考えられるが、投与前には髄膜炎を念頭に髄液検査を行う必要がある。