第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

川崎病・冠動脈・血管5

ポスターセッション(P65)
川崎病・冠動脈・血管5

2016年7月7日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
小林 徹(国立成育医療研究センター 臨床研究企画室)

P65-01~P65-05

18:00 〜 19:00

[P65-03] 急性期川崎病のNT-proBNP変動:3DSpeckle trackingを用いた心機能と炎症性cytokineの関与について

加藤 雅崇, 鮎澤 衛, 飯田 亜希子, 渡邉 拓史, 小森 暁子, 阿部 百合子, 中村 隆広, 神保 詩乃, 神山 浩 (日本大学医学部 小児科学系小児科学分野)

キーワード:NT-proBNP、Global Longitudinal Strain、TNFα

川崎病においてNTproBNPは上昇し易く、バイオマーカーとして診断や心合併症予測の報告は多いが、心機能については2D超音波での報告がほとんどで3DSpeckle trackingによる左室Global Longitudinal Strain(GLS)で評価した報告は少ない。一方でNTproBNP上昇にはcytokineの関与も考えられている。【目的】川崎病患者のcytokine及び3DGLS とNTproBNPとの関連を検討しNTproBNP上昇の成因を検討する。【方法】対象はH27年4~12月に当院でIVIgを受けた川崎病児48名、3ヶ月~11歳。cytokineはIVIg前/後1週、心機能はIVIg前/後1週/2週/1か月で測定した。【結果】NTproBNPは750/132pg/ml、TNFαは4.6/2.9pg/ml、sTNFR1及び2は2827/1112pg/ml、6617/3143pg/ml、IL-6は101/9pg/ml、IL-10は32/8 pg/ml、IL-1βは1.7/0.3pg/mlと全て有意に低下、2DEFは70.5/75.9/75.5/73.9%、3DEFは66.8/69.2/70.3/70.6%、GLSは-19.8/-21.3/-22.7/-22.35%で前に比べ後は各々有意に改善した。NTproBNPとの相関はTNFα0.22/0.22、sTNFR1及び2は各0.57/0.48、0.35/0.59、IL-6は0.65/0.42、IL-10は0.46/0.36と正相関、IL-1βは無相関であった。3DEFは-0.32/-0.39と負相関、GLSは無相関であった。【考察】NTproBNPと心機能との関連は3DEFで僅かに認められたが、今後さらに症例数を増やし検討する必要がある。【結論】NTproBNPと心機能との相関は3D評価でも明らかでなかった。