18:00 〜 19:00
[P70-03] 左心系の閉塞疾患にlevoatriocardinal veinを合併した2例
キーワード:levoatriocardinal vein、左心低形成症候群、術前CT検査
【はじめに】levoatriocardinal vein(LACV)は、肺静脈系と体静脈系を接続する血管であり、左心系の閉塞病変に合併することが多く、肺静脈閉塞に対する減圧路として存在する。本症を有する児には生後早期の適切な診断および治療が重要である。
【症例1】39週、2392gで出生した女児。胎児期より左心低形成症候群(HLHS)を疑われ、生後の心臓超音波検査および造影CT検査にてHLHS(MA/AA), intact atrial septum(IAS), LACVと診断された。LACVは、右上肺静脈から右内頸静脈に接続し、流入部で狭窄を認めたが、肺うっ血所見は無く、日齢7に両側肺動脈絞扼術、心房中隔欠損作成術を施行した。術後、LACVは自然閉鎖した。その後、PGE1投与を継続し、肺静脈楔入圧 14mmHg、肺血管抵抗 2.46 U・m2で3か月時に、Norwood-Glenn手術を施行した。
【症例2】37週4日、2450gで出生した女児。胎児エコーでは、総肺静脈還流異常症の診断であったが、生後の心臓超音波検査および造影CT検査で両大血管右室起始症、僧房弁閉鎖、左室低形成、IAS、LACV、動脈管開存症と診断された。Gross C型の食道閉鎖症を合併していた。LACVは、左房から右上大静脈に接続し、流入部に狭窄を認めた。低酸素血症と肺うっ血所見を認め、日齢0に胃瘻造設に引き続き、肺動脈絞扼術、心房中隔欠損作成術を施行した。術後、LACVは自然閉鎖した。現在、右心バイパスの方針で外来加療中である。
【考察】1926年にMcIntoshが左房から無名静脈に接続する血管を初めて報告し、1950年にEdwardsがLACVと報告した。LACVは、本症例のように肺静脈減圧を目的とする機能的なものと肺静脈減圧とは無関係な非機能的なものが存在する。LACVは狭窄を伴うものが多く、早期の肺静脈の減圧が要求される。肺の組織学的評価では、リンパ管の拡張や肺静脈壁の弾性板肥厚によるarterializationを来すとされ、特に、右心バイパス循環成立の障害となる可能性が考えられる。
【症例1】39週、2392gで出生した女児。胎児期より左心低形成症候群(HLHS)を疑われ、生後の心臓超音波検査および造影CT検査にてHLHS(MA/AA), intact atrial septum(IAS), LACVと診断された。LACVは、右上肺静脈から右内頸静脈に接続し、流入部で狭窄を認めたが、肺うっ血所見は無く、日齢7に両側肺動脈絞扼術、心房中隔欠損作成術を施行した。術後、LACVは自然閉鎖した。その後、PGE1投与を継続し、肺静脈楔入圧 14mmHg、肺血管抵抗 2.46 U・m2で3か月時に、Norwood-Glenn手術を施行した。
【症例2】37週4日、2450gで出生した女児。胎児エコーでは、総肺静脈還流異常症の診断であったが、生後の心臓超音波検査および造影CT検査で両大血管右室起始症、僧房弁閉鎖、左室低形成、IAS、LACV、動脈管開存症と診断された。Gross C型の食道閉鎖症を合併していた。LACVは、左房から右上大静脈に接続し、流入部に狭窄を認めた。低酸素血症と肺うっ血所見を認め、日齢0に胃瘻造設に引き続き、肺動脈絞扼術、心房中隔欠損作成術を施行した。術後、LACVは自然閉鎖した。現在、右心バイパスの方針で外来加療中である。
【考察】1926年にMcIntoshが左房から無名静脈に接続する血管を初めて報告し、1950年にEdwardsがLACVと報告した。LACVは、本症例のように肺静脈減圧を目的とする機能的なものと肺静脈減圧とは無関係な非機能的なものが存在する。LACVは狭窄を伴うものが多く、早期の肺静脈の減圧が要求される。肺の組織学的評価では、リンパ管の拡張や肺静脈壁の弾性板肥厚によるarterializationを来すとされ、特に、右心バイパス循環成立の障害となる可能性が考えられる。