The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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要望演題

不整脈のカテーテル治療

要望演題6(YB06)
不整脈のカテーテル治療

Thu. Jul 7, 2016 3:00 PM - 4:00 PM 第D会場 (オーロラ イースト)

座長:
宮崎 文(国立循環器病研究センター 小児循環器科)
大橋 直樹(JCHO中京病院中京こどもハートセンター 小児循環器科)

YB06-01~YB06-06

3:00 PM - 4:00 PM

[YB06-01] 10kg未満の乳幼児におけるカテーテルアブレーションの有効性・安全性の検討

尾崎 智康1, 中村 好秀2, 鈴木 嗣敏3, 芳本 潤4, 豊原 啓子5, 福原 仁雄6, 片山 博視1, 岸 勘太1, 小田中 豊1, 玉井 浩1 (1.大阪医科大学 泌尿生殖・発達医学講座 小児科学教室, 2.近畿大学医学部 小児科学教室, 3.大阪市立総合医療センター 小児不整脈科, 4.静岡県立こども病院 循環器科)

Keywords:アブレーション、不整脈、乳幼児

【背景】頻脈性不整脈に対する治療として、カテーテルアブレーションを受ける小児の症例数は増加している。しかし、小さい小児におけるアブレーション治療は依然として合併症のリスクが高い。【方法】 2008年4月から2014年12月までに日本赤十字社和歌山医療センター、大阪市立総合医療センター、大阪医科大学でアブレーション治療を受けた15歳以下の患者を対象とした。Group A:10kg未満の21例(25セッション)、Group B:10kg以上の257例(275セッション)とし、成功率・再発率・合併症の発生率・透視時間等を後方視的に検討した。【結果】 平均フォロー期間は5.2年。Group Aの成功率90.5%、再発率15.8%、手術時間148.5分で、group Bと比較して有意差は認めなかった。一方、group Aの透視時間は18.6分(P=0.005)で有意に短く、使用カテーテル本数も3.0本(P<0.001)と有意に少なかった。全合併症の発生率はgroup A 12.0%、group B 6.9%で有意差を認めなかった。またアブレーション手技関連の死亡例は両群ともに認めなかった。【考察】 Group Aにおいて有意に透視時間が短いことは「3次元マッピングシステムの積極的な使用」と「不整脈のメカニズムがシンプル」であったと推察された。手術時間で有意差がなかった点については、group Aでは体格が小さく、使用したカテーテル本数が少なく、かつ、慎重な手技や操作が必要であり時間を要した。一方、group Bでは複雑な不整脈のメカニズムを持つ症例がgroup Aに比して多かったため時間を要した。Group Aにおいてはgroup Bに比して様々な制約があったにもかかわらず、成功率・再発率・合併症の発生率には有意差は認めなかった。【結語】 10kg未満の小児においてもアブレーション治療は有効かつ安全である。