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[I-OR18-04] 心疾患を合併した小児における気管切開の適応
キーワード：気管切開, 小児, 心疾患
【背景】心疾患を有する小児患者における気管切開は気道や呼吸機能のみならず循環器的な要因も関連するためその決定は容易ではない。過去に気管切開を必要とした患者の背景や予後を明らかにすることにより今後の気管切開を適切に決定できる可能性がある。【目的】心疾患を有する小児患者における気管切開の背景、危険因子、予後を明らかにすること。【方法】2010年1月から2016年12月の間に心疾患を有し14日間以上の人工呼吸管理を行った18歳以下の小児患者を対象として、気管切開を必要とした患者と必要としなかった患者の背景、危険因子、予後を調査した。【結果】対象患者は96名(男43/女53)で気管切開は21名(22%)に実施された。主な心疾患はDORV 13例、CAVC 12例、HLHS 10例であった。気管切開を必要とした患者と必要としなかった患者では、日齢(中央値)93 vs. 56日 (p=0.73)、男38% vs. 47% (p=0.49)、体重3.2kg vs. 3.7kg (p=0.66)、気管切開または人工呼吸離脱までの日数50日vs. 22日 (p=0.0004)であった。単変量解析において、気管切開に対するオッズ比は染色体異常1.7 (95%CI 0.61-4.7)、中枢神経合併症2.8 (1.1-7.6)、気道合併症2.2 (0.74-6.4)、抜管後再挿管1.0 (0.35-3.0)、体外式膜型人工肺（ECMO）1.6 (0.55-4.5)であった。気管切開後21名中4例(19%)が呼吸器を離脱し、1例(5%)が気管切開孔を閉鎖できた。気管切開を必要とした患者はICU滞在日数が72日 vs. 33日(p＜0.0001)と長かったが、ICU死亡は5/21例(24%) vs. 12/75例(16%)(p=0.30)と差がなかった。【結論】中枢神経合併症を有する患者では気管切開を必要とする可能性が高く、気管切開を必要とした患者ではICU滞在日数が長かったがICU死亡に差はなかった。