18:00 〜 19:00
[I-P01-05] 積極的肺動脈絞扼術を施行し良好な転機となった5p欠損症候群の極低出生体重児の1例
キーワード:5p欠損症候群, 肺動脈絞扼術, 心室中隔欠損症
【背景】5p欠損症候群は5番染色体短腕の部分欠失に基づく染色体異常症候群で,比較的予後良好な疾患であり,約30%は先天性心疾患を合併し,生命予後に関与する.【症例】日齢3の女児.胎児期の羊水で5p欠損症候群を指摘されていた.日齢15(手術時体重 1,312 g)に動脈管結紮術を施行した.術後も心室中隔欠損症による高肺血流,うっ血性心不全が進行し,低酸素療法を開始したが改善に乏しく,経腸栄養が確立できなかった.内科的治療のみによる心不全管理は困難であり,日齢52(手術時体重 1,346 g)に肺動脈絞扼術を施行した.以降循環動態は改善し,心不全管理および体重増加良好となり,日齢101に当科退院した.【考察】染色体異常を合併する先天性心疾患に対しては積極的な外科的治療を施行しない症例もあり,5p欠損症候群の症例は報告は少数である.しかし,本症例のように先天性心疾患が生命予後決定因子である染色体異常の場合は,積極的な外科的治療介入が予後を改善する可能性が示唆された.