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[I-P05-06] Home AEDにより救命された左心室瘤に伴う心室頻拍の1例
キーワード:home AED, 突然死, 基礎疾患
【背景】小児の突然死の原因は、心室細動によるものが多い。2004年に自動体外式除細動器(AED)が一般市民にも使用可能となり約10年が経過し、AEDによる救命例も増加してきている。また、学校をはじめ公共施設へのAEDの設置も徐々に充実してきているが、Home AEDは、一般的ではない。我々はHome AEDが救命に大きな役割を果たした症例を経験したので,その重要性について考察を交えて報告する.【症例】13歳男子,心室頻拍(VT)のために当院に緊急入院した.10年前に,劇症型心筋炎を発症し、急性期にVTが持続しPCPSを必要とした。心筋炎後の後遺症として心室瘤を認めている。最近の臨床経過は安定しており,不整脈は認めていなかった。今回,自宅で階段を降りている時に、突然動悸が起こり急速に増悪した.母親が頻脈に気づき,患児にすぐにAEDを装着し,AEDの指示通りShock Buttonを迷うことなく押したことにより短時間で除細動が行われた.【考察および結語】AEDには,260bpmの心室頻拍が記録されており,適切な除細動が行われなければ致死的であった可能性が高いと考えられる.家族に対する教育と母親の勇気ある行動が患児を救命した。AEDの使用を含めた家族への救命救急講習は小児を突然死から守るために重要である。特に、基礎疾患がある症例に対しては、Home AEDの導入を積極的に検討すべきであると思われた。