6:00 PM - 7:00 PM
[I-P06-01] 肺血流減少型先天性心疾患におけるPGE1の投与量、期間についての検討
Keywords:PGE1, 肺血流動脈管依存性心疾患, 術前管理
【始めに】動脈管依存性心疾患では、姑息術や根治術によって動脈管の維持が不要になるまでプロスタグランディンE1製剤(PGE1)の投与が行われている。この疾患群では低出生体重児や病態によっては、PGE1の投与を行いながら、術前に長期間待機しなくてはならないことがある。今回、よりよい患者説明や治療戦略に役立てる事を目的とし、当院におけるその使用実態を後方視的に検討したので報告する。【対象】2010年1月から2016年12月までの当院NICUに入院し、肺血流減少性心疾患と診断しPGE1を投与し、26例。【結果】ファロー四徴症11例、心室中隔欠損兼肺動脈閉鎖3例、単心室系肺動脈狭窄または閉鎖4例、純型肺動脈狭窄3例、純型肺動脈閉鎖2例、その他3例。21トリソミー、3例、18トリソミー、1例、13トリソミー、2例。うち二例が転院にて検討から外れた。PGE1の投与日数の中央値は25(2~261)、PGE1を30日以上使用していたのは9例、30日未満は15例であった。終了時のPGE1が5ng/kg/min以上となった児は12例あった。PGE1が30日以上投与しかつ5ng/kg/min以上となった児は5例あった。PGE1が終了時の理由は、手術によるものが13例。インターベンション後の改善によるものが3例。死亡によるものが3例であった。純型肺動脈弁狭窄では、高用量になるものはなかった。肺動脈弁閉鎖をともなった7例中4例が5ng/kg/min以上の投与量を必要となった。【結語】30日以上PGE1を投与する例において酸素化を維持するのにPGE1の投与量が5ng/kg/min以上になることが多くなっていた。PGE1は長期投与にともない、副作用の出現があることがしられている。肺血流動脈管依存性心疾患において30日以上の長期投与を必要とする症例では、投与量増加や副作用も考慮しながら管理する必要があると思われた。