6:00 PM - 7:00 PM
[I-P09-01] Fontan術後成人期の門脈体循環シャントと高NH3血症を合併した2症例の血行動態
Keywords:Failed Fontan, 成人先天性心疾患, 門脈体静脈シャント
【背景】循環動態が破綻したFailed Fontanでは肝障害を来たし,なかには高NH3血症を伴うことがある.当院で大きな門脈体静脈シャントを合併症した2症例を経験したので報告する。
【症例1】33歳の男性.診断はMA, DORV,4歳でAPC Fontan,18歳でTCPC Conversionを施行した.術後難治性心房頻脈及び心機能低下より蛋白漏出性胃腸症発症,高NH3血症(NH3>200μg/dL)及び腎前性腎不全を発症した.治療抵抗性の高NH3血症に対してCHDFを離脱できない状態が続き,当院に転院となった.入院時バイタル:BP 75/25mmHg,HR 80bpm,RR 20/min,SpO2 95%(経鼻酸素2L).心臓カテーテル検査ではCI:6.6L/min / m2,Rp:0.6 Uxm2,Rs:4.7 Uxm2であった.腹部CTにて門脈体静脈シャントを認め,高NH3血症の原因と考えられた.
【症例2】20歳の男性.診断はSRV,PS.9歳でBDG及びEC-TCPCを同時に施行した.19歳のときに肝障害及び高NH3血症(NH3:120μg/dL)を認め,心臓カテーテル検査を施行.入院時バイタル:BP 100/50mmHg,HR 80bpm,SpO2 97%(RA).CI:4.6L/min/m2,門脈体静脈シャントを認めた.門脈体静脈シャントの閉鎖試験の前後では肝静脈楔入圧はわずかに上昇したが,中心静脈圧は変わらなかった.
【考察】Failed Fontan後に高NH3血症をきっかけに門脈体静脈シャントを診断した2症例に心臓カテーテル検査において体血管抵抗低下、高心拍出が判明した。門脈圧亢進による一酸化窒素などの末梢血管拡張物質が門脈圧体静脈シャントによりさらに体血流に放出され、この病態が臓器の還流圧低下など循環不全の病態にさらに寄与している可能性を示唆していると思われた.
【結論】Fontan循環が破綻した症例では,門脈体静脈シャントの関与も念頭におき積極的に診断する必要がある。病態の関与によっては今後,門脈体静脈シャントの閉鎖を考慮する.
【症例1】33歳の男性.診断はMA, DORV,4歳でAPC Fontan,18歳でTCPC Conversionを施行した.術後難治性心房頻脈及び心機能低下より蛋白漏出性胃腸症発症,高NH3血症(NH3>200μg/dL)及び腎前性腎不全を発症した.治療抵抗性の高NH3血症に対してCHDFを離脱できない状態が続き,当院に転院となった.入院時バイタル:BP 75/25mmHg,HR 80bpm,RR 20/min,SpO2 95%(経鼻酸素2L).心臓カテーテル検査ではCI:6.6L/min / m2,Rp:0.6 Uxm2,Rs:4.7 Uxm2であった.腹部CTにて門脈体静脈シャントを認め,高NH3血症の原因と考えられた.
【症例2】20歳の男性.診断はSRV,PS.9歳でBDG及びEC-TCPCを同時に施行した.19歳のときに肝障害及び高NH3血症(NH3:120μg/dL)を認め,心臓カテーテル検査を施行.入院時バイタル:BP 100/50mmHg,HR 80bpm,SpO2 97%(RA).CI:4.6L/min/m2,門脈体静脈シャントを認めた.門脈体静脈シャントの閉鎖試験の前後では肝静脈楔入圧はわずかに上昇したが,中心静脈圧は変わらなかった.
【考察】Failed Fontan後に高NH3血症をきっかけに門脈体静脈シャントを診断した2症例に心臓カテーテル検査において体血管抵抗低下、高心拍出が判明した。門脈圧亢進による一酸化窒素などの末梢血管拡張物質が門脈圧体静脈シャントによりさらに体血流に放出され、この病態が臓器の還流圧低下など循環不全の病態にさらに寄与している可能性を示唆していると思われた.
【結論】Fontan循環が破綻した症例では,門脈体静脈シャントの関与も念頭におき積極的に診断する必要がある。病態の関与によっては今後,門脈体静脈シャントの閉鎖を考慮する.