第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

外科治療遠隔成績

ポスター (I-P16)
外科治療遠隔成績

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:西垣 恭一(大阪市立総合医療センタ- 小児心臓血管外科)

18:00 〜 19:00

[I-P16-07] Failing Fontan および TCPC conversionから得た教訓

磯松 幸尚1, 町田 大輔1, 益田 宗孝1, 藪 直人1, 鉾碕 竜範2, 渡辺 重朗2, 中野 裕介2 (1.横浜市立大学附属病院 心臓血管外科, 2.横浜市立大学附属病院 小児循環器科)

キーワード:failing Fontan, TCPC conversion, median approach

【対象】当施設に於ける2001年以降のTCPC42例およびTCPC conversion 6例を対象.【結果】Failing Fontan症例はPLE 2例,および遠隔期合併症は下の2例.1 PLE(1) Umbalanced DORV: 14ヶ月左PV閉塞,16ヶ月BDG.肺炎治療困難,2.7歳左肺全摘.3.5歳TCPC.5.0歳PLE発症しPSL,5.2歳レバチオ開始.PSL漸減も10歳時再燃,SVC (20), Rp 2.0.10.4歳時に右肺動脈形成術後PLEは寛解中.(2) (ADD) SRV, PA: 8ヶ月BDG.2.9歳TCPC.3.3歳PLE発症,PSL・ヘパリン開始.カプロシン変更し5.5歳PSL中止.7.5歳時カプロシン中止後再燃しヘパリン再開.以降,γグロブリン投与/2週,Alb投与/1-2月が必要.SVC (13). 2 遠隔期合併症(1)TCPC routeに狭窄なく高い静脈圧を呈したTA (IIc): 19日時PAB.10ヶ月Rp 3.6のためレバチオ・HOT導入.16ヶ月Rp 1.0と改善し17ヶ月bil BDG+DKS. 2.5歳TCPC.4.7歳SVC (11),6.7歳SVC (16). (2)肺血流左右不均衡: Unusual MA, PA: SVC (10) RPA (10) LPA (8), Rp 1.6. LPAに局所的な狭窄はなく全体的に低形成(左上葉枝は閉塞).3 TCPC conversion: 6例中,平均26.3歳(APC後平均21.3年)の3例は(不整脈手術を行ったが)抗不整脈薬が必要なのに対し,平均15.0歳(同12.9年)の3例は不要.上室性不整脈をconversionの適応とする方針ではtoo lateの可能性示唆.4 統計学的解析:TCPC時年齢・両側SVC・PAB既往・コイル塞栓既往・TCPC前SVC圧・肺血管抵抗・PA index・肺血流左右均衡指数をロジスティック回帰により解析.エンドポイントを上記1と2との計4例とすると,『左右不均衡であるほど』(P=0.045 (一因子), 0.044 (多因子))発生しやすかった.【結語】左右の均衡がとれた肺血流の維持がより良いFontan循環のために重要であった.正中アプローチによるB-Tシャントも一法であろう.未施行例に対しては可及的早期にConversionを行うべきと考えられた.内服薬による肺血管床ケアの役割は大きい.