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[I-PD1-01] 体心室房室弁逆流を伴う修正大血管転位症:内科的アプローチ
キーワード:修正大血管転位症, 三尖弁逆流, 薬物治療
修正大血管転位症の定義は、心房心室不一致と心室大血管不一致が合併した心疾患ということである.血液循環は生理学的に修正されるが,体循環は形態的右室が担う点が遠隔期の大きな問題となる.体心室右室機能,三尖弁(体心室房室弁)逆流が経年的に悪化し,頻拍型不整脈を伴うことも多い.自然経過として房室ブロックを合併し、ペースメーカーの挿入が必要になることもある.外科的には心室中隔欠損閉鎖術,三尖弁置換術,左室肺動脈心外導管修復術が行われる.左室圧が高い場合は,double switch手術(形態的左室を心室中隔欠損経由で大動脈につなぎ,形態的右室と肺動脈の間に弁付き導管を置き,同時に心房位血流転換手術も行う手術、または心房位血流転換術と同時にJatene手術)を行う場合があるが、成人期になっての手術は困難である.内科治療の面では、右心室機能低下や体心室房室弁逆流に対するACE阻害薬やベータ遮断薬の効果は未だ大規模研究による証明はされていないものの、多くの症例で試みられているのが現状であろう。一般に中等度以上の体心室房室弁逆流に対しては人工弁置換が、体心室右室機能の低下が著しい場合には心臓再同期療法や心移植の適応となるが、その至適時期については多くの議論がある。今回は、内科の立場から、体心室房室弁逆流を伴う修正大血管転位症の治療と管理について、自施設での経験を踏まえて報告する。