16:00 〜 17:45
[I-PD1-05] 右心系体心室不全に対する補助人工心臓装着の2例
キーワード:右心系体心室, 補助循環, 心臓移植
【背景】本邦でも、TGAに対する心房スイッチ術やccTGA関連疾患に対する機能的修復術のsurvivorsは30歳台に入り、今後右心系体心室不全を呈する患者が増えることが予想される。また右心系単心室のFontan患者も同様である。未だevidenceの存在しない薬物療法の他、合併する房室弁閉鎖不全の修復・置換やCRTが試みられているが反応に乏しい患者も多い。【目的】右心系体心室不全に対してBridge to transplantとして補助人工心臓を装着した2症例を報告する。症例1)41歳男性。TGA(I)にてMustard術後。Severe TRを合併した体心室不全にて2回の心臓移植申請の後受理されJarvik2000を用いたsystemic RVAD, TVR, AVR施行。現在復職し心移植待機中。症例2)28歳女性。ccTGA, VSD, PSにて保存的経過観察中に体心室不全を発症。CRT効果なくカテコラミン依存状態で当院へ紹介。心臓カテーテル検査ではaLV 80/e19, PA 65/38(48), PAW 30, aRV 93/e21, Qp/Qs 1.33, aRVEF 18.5%, CI 1.6L/min/m2, Rp 12.1WUであった。aLV圧が比較的高く保たれていたのでDouble switch術も考慮したがaLV壁が厚く術後拡張障害を来す懸念が高く、Double switchよりも体心室補助からの心臓移植の方が救命できる確立が高いと判断した。しかし肺血管抵抗が高く、心移植の申請ができなかったが、post-capillary PHと思われたため、Bridge to candidateとして機能的心内修復(VSD closure+左室流出路狭窄解除)+体外型補助人工心臓装着し、肺血管拡張療法の後、1ヶ月後に肺血管抵抗の低下(Rp 4.2WU)を確認した。心移植を申請し受理され植込み型補助人工心臓(Jarvik2000)へのconversionを行った。現在復職を進めながら心移植待機中。【結語】右心系体心室不全に対する体心室補助循環は有効で社会復帰しながら心移植への待機が可能となった。Jarvik2000は解剖学的な制約を受けにくく、CHDの心室補助に有効なdeviceである。