第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム 1 (I-S01)
画像診断 “AnatomyからPhysiologyへ、そして統合的画像診断のその先へ”

2017年7月7日(金) 08:40 〜 10:25 第1会場 (1F 展示イベントホール Room 1)

座長:石川 友一(福岡市立こども病院 循環器科)
座長:新居 正基(静岡県立こども病院循環器科)

08:40 〜 10:25

[I-S01-05] 川崎病後冠動脈狭窄性病変における心筋虚血の評価:CFR/FFRから各種画像modalityを用いた統合的診断について

津田 悦子1, 羽山 陽介1, 神崎 歩2, 松村 雄1, 三宅 啓1, 岩朝 徹1, 藤野 光洋1, 根岸 潤1, 黒嵜 健一1, 大内 秀雄1, 浅海 泰栄3 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 放射線科, 3.国立循環器病研究センター 心臓血管内科)

キーワード:川崎病, 冠動脈障害, 心筋虚血

川崎病による冠動脈狭窄性病変に対する冠血行再建術の適応は、心筋虚血の有無、程度により判断される。川崎病による冠動脈局所性狭窄は冠動脈瘤を伴うため、狭窄の程度の判断が難しい場合がありうる。75%以上の局所性狭窄がみられても、Native flowが保たれている場合、冠動脈バイパス術後、グラフトのstring sign (狭小化)がみられ、有効な治療法とならない場合がある。このため、冠動脈の75%以上の局所性狭窄が出現した場合、冠血行再建術の至適時期を決定するために各種のモダリテイを用いて評価する。至適時期を探るために何をどの程度の間隔で施行するのかも重要である。 従来は、心臓カテーテルによる選択的冠動脈造影で冠動脈狭窄の形態評価とトレッドミル検査、RI血流イメージグによる虚血の評価が主体であった。しかし、近年の画像/機能診断の進歩により、冠動脈形態、心筋虚血評価に対するmodalityが増加した。CT、MRによる無侵襲の冠動脈造影が可能となり、心筋虚血も評価が可能となってきた。また、心臓カテーテル検査によるCFR、FFRの他に、経胸壁心エコー検査やRI血流イメージング、PETによるCFRの測定も可能である。CFR、FFRによる心筋虚血の評価を行い、冠血行再建術の適応を検討した症例を呈示する。また、経胸壁心エコー検査によるCFRによる経過観察症例を呈示する。