10:15 AM - 11:05 AM
[II-OR34-01] Senning手術の遠隔成績
Keywords:Senning 手術, 遠隔成績 , 生存率
【背景】近年、Senning手術適応例は少ないが、動脈スイッチ手術登場以前には一般的な術式であった。術後20年を経過したSenning手術後患者の、体心室である右室機能不全(RVF)や三尖弁閉鎖不全(TR)、さらに上室性不整脈や心房内血流転換部位の狭窄(BS)などについて系統的なフォローアップが必要である。当施設でのSenning手術の長期遠隔成績を調査した。
【対象】1984年~1988年に同一外科医によりSenning手術が施行された連続20例が対象。疾患は完全大血管転位症TGA(I)17例、TGA(II)2例、Criss-cross heart(CCH)1例。Senning手術時年齢(中央値)は10カ月(2カ月~7歳)、体重は7±2kg。男児は14例(70%)。遠隔追跡期間(中央値)は22年(1日~30年)で2例のみ遠隔追跡不可であった。
【結果】手術死亡はRVFによる1例。遠隔死亡は4例で、原因はRVF1例、肺炎1例、不整脈2例であった。Kaplan-Meier法による生存率は20年で71±11%。術後再手術は遺残心室中隔欠損の閉鎖1例とCCHの右室流出路形成が1例で、BSは認めなかった。PMIは術後12±7年後で5例。PMI回避率は20年で71±12%。CTRは術後22±5年で51±6%、RVEDPは術後10±8年で11±4mmHg、20±7年でのTV逆流は0~trivialが7例、mildが8例、moderate以上はなかった。術後12±4年で施行した運動負荷試験では、最大心拍数、172±17bpm、最大酸素消費量は男児で39±9ml/kg/min(対正常比73%)、女児は33±2ml/kg/min(同77%)であった。1例が28歳で妊娠出産を経験。13例中1例のみレニベースを内服し、残り12例(92%)は内服薬無しで経過。
【まとめ】Senning手術術後約20年の遠隔期において、PMIを必要とする不整脈の問題はあるが、危惧されたRVF、TRは問題となっておらず日常生活は支障なく送れていた。また再手術の原因となるBSはなく、心房自由壁外側や心房中隔に入れる適切な切開ラインや丁寧な縫合が寄与したと考える。今後も引き続き長期に渡ってフォローが必要である。
【対象】1984年~1988年に同一外科医によりSenning手術が施行された連続20例が対象。疾患は完全大血管転位症TGA(I)17例、TGA(II)2例、Criss-cross heart(CCH)1例。Senning手術時年齢(中央値)は10カ月(2カ月~7歳)、体重は7±2kg。男児は14例(70%)。遠隔追跡期間(中央値)は22年(1日~30年)で2例のみ遠隔追跡不可であった。
【結果】手術死亡はRVFによる1例。遠隔死亡は4例で、原因はRVF1例、肺炎1例、不整脈2例であった。Kaplan-Meier法による生存率は20年で71±11%。術後再手術は遺残心室中隔欠損の閉鎖1例とCCHの右室流出路形成が1例で、BSは認めなかった。PMIは術後12±7年後で5例。PMI回避率は20年で71±12%。CTRは術後22±5年で51±6%、RVEDPは術後10±8年で11±4mmHg、20±7年でのTV逆流は0~trivialが7例、mildが8例、moderate以上はなかった。術後12±4年で施行した運動負荷試験では、最大心拍数、172±17bpm、最大酸素消費量は男児で39±9ml/kg/min(対正常比73%)、女児は33±2ml/kg/min(同77%)であった。1例が28歳で妊娠出産を経験。13例中1例のみレニベースを内服し、残り12例(92%)は内服薬無しで経過。
【まとめ】Senning手術術後約20年の遠隔期において、PMIを必要とする不整脈の問題はあるが、危惧されたRVF、TRは問題となっておらず日常生活は支障なく送れていた。また再手術の原因となるBSはなく、心房自由壁外側や心房中隔に入れる適切な切開ラインや丁寧な縫合が寄与したと考える。今後も引き続き長期に渡ってフォローが必要である。