10:15 AM - 11:05 AM
[II-OR34-02] NCDデータベースによる単心室における房室弁弁置換術の治療成績の検討
Keywords:Fontan, Valve, Outcome
【背景】
単心室循環では房室弁逆流が危険因子として報告されている.一方,小児期の弁置換術後の5年生存率は70-85%との報告もある.このような背景から単心室症に対する房室弁置換術はあまり行われておらず,単施設での報告も少ない.
【目的】
JCCVSDの統計に基づいた多施設研究により,単心室症に対する房室弁置換術の頻度と短期手術成績を解析する.
【方法】
2008年から2014年の間に,単心室循環でかつ体心室側の房室弁置換術を行ったものを母集団とした.2心室循環または1.5心室循環に至った症例を除外した.房室弁置換術の総数,再手術数,術後30日,90日死亡率,再手術・死亡に対する危険因子を求めた.
【結果】
期間中80名が房室弁置換術を行った.房室弁形態は三尖弁23例(29%),僧帽弁18例(23%),共通房室弁39例(49%)であった.弁置換術のタイミングは,BCPSと同時6例(8%),Fontan手術前14例(18%),Fontan手術と同時8例(10%),Fontan手術後14例(18%)であった.手術時年齢は中央値3歳(17日-42.8歳),男女比43/37であった.Heterotaxyを30例(38%),HLHSを13例(16%)認めた.死亡率は術後30日で9%(7/80),90日で16%(13/80)であった.9例(11%)に再弁置換術を行った.12例(15%)でペースメーカー植え込みを必要とした.Cox比例ハザードモデルでは,弁置換術時年齢(p=0.025)のみが死亡または再弁置換術に関連した.
【考察】
房室弁置換術が行われた80名の単心室症患者のうち38%がHeterotaxy患者であった.低年齢での房室弁置換術は,再弁置換術または死亡に関連した.
【結論】
単心室症患者において高度房室弁逆流に対する弁置換術は有効であるが,ペースメーカー植え込みや死亡などのリスクをある程度伴う.
単心室循環では房室弁逆流が危険因子として報告されている.一方,小児期の弁置換術後の5年生存率は70-85%との報告もある.このような背景から単心室症に対する房室弁置換術はあまり行われておらず,単施設での報告も少ない.
【目的】
JCCVSDの統計に基づいた多施設研究により,単心室症に対する房室弁置換術の頻度と短期手術成績を解析する.
【方法】
2008年から2014年の間に,単心室循環でかつ体心室側の房室弁置換術を行ったものを母集団とした.2心室循環または1.5心室循環に至った症例を除外した.房室弁置換術の総数,再手術数,術後30日,90日死亡率,再手術・死亡に対する危険因子を求めた.
【結果】
期間中80名が房室弁置換術を行った.房室弁形態は三尖弁23例(29%),僧帽弁18例(23%),共通房室弁39例(49%)であった.弁置換術のタイミングは,BCPSと同時6例(8%),Fontan手術前14例(18%),Fontan手術と同時8例(10%),Fontan手術後14例(18%)であった.手術時年齢は中央値3歳(17日-42.8歳),男女比43/37であった.Heterotaxyを30例(38%),HLHSを13例(16%)認めた.死亡率は術後30日で9%(7/80),90日で16%(13/80)であった.9例(11%)に再弁置換術を行った.12例(15%)でペースメーカー植え込みを必要とした.Cox比例ハザードモデルでは,弁置換術時年齢(p=0.025)のみが死亡または再弁置換術に関連した.
【考察】
房室弁置換術が行われた80名の単心室症患者のうち38%がHeterotaxy患者であった.低年齢での房室弁置換術は,再弁置換術または死亡に関連した.
【結論】
単心室症患者において高度房室弁逆流に対する弁置換術は有効であるが,ペースメーカー植え込みや死亡などのリスクをある程度伴う.