第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

外科治療遠隔成績

一般口演 34 (II-OR34)
外科治療遠隔成績

2017年7月8日(土) 10:15 〜 11:05 第6会場 (1F 展示イベントホール Room 6)

座長:笠原 真悟(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管外科)

10:15 〜 11:05

[II-OR34-03] 特殊染色体異常を伴う先天性心疾患に対する手術治療成績

原田 雄章, 中野 俊秀, 檜山 和弘, 小田 晋一郎, 財満 康之, 阪口 修平, 宮城 ちひろ, 内山 光, 角 秀秋 (福岡市立こども病院 心臓外科)

キーワード:染色体異常, 心臓手術成績, 先天性心疾患

【背景】DOWN症候群、CATCH症候群を除いた特殊染色体異常を伴う先天性心疾患に対して行われた手術成績に関して報告する。【対象】1986年から2016年に特殊染色体異常を伴った先天性心疾患に対する手術を42例に施行した。異常染色体を示す番号は1;1例、3;1例、4;2例、5;2例、7;2例、8;2例、9;2例、11;1例、12;1例、13;3例、14;1例、17;1例、18;6例、19;1例でありその他CHARGE症候群;9例、Williams症候群;2例、ターナー症候群;2例、エマヌエル症候群;1例、46.XX.add(p9.22);1例、45.XY.der (18;22)(q10:q10);1例と多彩であった。単心室疾患は6例ありPA-IVS 3例、HLHS 3例、二心室疾患は36例ありTOF7例、DORV5例、ASD5例、PA-VSD4例、CoA4例、VSD4例、PDA2例、IAA-VSD2例、その他3例であった。初回手術時月齢と体重の中央値は2.0ヶ月、3.4kgであった。【結果】単心室疾患6例中姑息手術後に2例が心不全で死亡、1例がグレン手術を経てFontan手術に2歳1ヶ月に到達した。1例がグレン手術待機中、1例が姑息手術以降は手術しない方針で自宅療養、1例は詳細不明であった。また二心室疾患36例中12例に中央値1.4ヶ月で姑息術を行った。内訳は肺動脈絞扼術4例、体肺動脈短絡術3例、動脈管結紮術5例であった。その内7例は根治術到達前に死亡した。死因は突然死、肺炎、肺出血、心不全であった。3例は根治術待機中、2例は詳細不明であった。24例が中央値8.5ヶ月で根治術に到達した。根治術後に死亡した例は2例で死因は突然死、肺炎であった。根治術後累積生存率は1年、3年、5年で95.0%、89.4%、89.4%であった。根治術後合併症は肺炎など呼吸器疾患が最も多く死因となる症例が多かった。【結論】今まで特殊染色体異常を伴った心臓手術成績を示した報告はない。単心室疾患に対して手術を施行する症例は少なくさらにFontanまで到達する例は稀であり術後成績は不良であった。二心室疾患で根治術まで到達した症例では術後成績は良好であった。