18:15 〜 19:15
[II-P22-07] AnatomyからPhysiologyへ;3D cine Phase Contrast MRIによる先天性心疾患術後血流の可視化と定量化
キーワード:3D cine Phase Contrast MRI, 血流の可視化, Wall shear stress
【目的】3D cine Phase Contrast(PC) MRIは3次元+時間軸の血流情報が得られ、血流の可視化および定量化を可能にする。3D cine PC MRIを用いて先天性心疾患術後遠隔期の血流の可視化、through-plane(TP)での血流速度分布、Wall shear stress(WSS)測定を行う。【対象】BV群(右室流出路再建術後)11例(Rastelli術 5例、心内修復術 6例)、F群(フォンタン術後)8例(lateral tunnel(LT) 3例、extracardiac(EC) 5例)の19症例。年齢(中央値)はBV群7~35 (13)歳、F群12~42 (16.5)歳。【方法】Philips社製MR systems Ingenia 1.5T。SequenceはECG同期3D-T1TFE phase contrast法。解析ソフトはGTFlow ver.2.7を使用。(1)大動脈と大静脈・肺動脈血流をpathlineで可視化。LT群とEC群でconduit内にROIを設定、TPでの速度分布(平均値、最小値、最大値-最小値)の一心周期でのばらつきをSD値として表示、2群間で比較した。(2)WSS(N/m2)測定;大動脈STJ(Ao1)、上行大動脈(Ao2)にROIを設定、大動脈壁4分割(前, 後, 左, 右)領域のpeak値(WSSpeak)と平均値(WSSavg)を測定しBV群とF群の2群間で比較した。Mann-Whitney’s U testでp<0.05を有意とした。【結果】(1) 大動脈と大静脈・肺動脈血流を3次元的に可視化できた。LT群、EC群で速度分布(平均値、最小値、最大値-最小値)のSD値はそれぞれ(3.7±2.4、7.9±4.1、14.3±8.0)、(1.6±1.2、3.5±2.0、7.6±5.2)とLT群でばらつきが多い傾向であった(p=0.07、0.042、0.096)。(2)Ao1の左壁でWSSavgはF群、BV群でそれぞれ0.0095±0.023、-0.0119±0.021と有意にBV群で低値であった(p=0.025)。WSSpeakはF群、BV群で有意差はなかった。【考察】LT群とEC群で機能的右房における速度分布の違いを定量化でき、またBV群とF群でAoにおけるWSSが異なることが示された。3D cine PC MRIは複雑な血流の可視化および定量化を可能とし、術後評価に有用と考えられた。