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[II-P27-08] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術後の心房容量変化と新規発症心房細動
キーワード:心房中隔欠損, カテーテル治療, 心房細動
【背景と目的】術前洞調律であっても経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術後の約6%において新規心房細動を発症することが知られている。心房拡大は心房細動発症のリスク因子であり、経皮的ASD閉鎖術後の心房サイズ変化と不整脈発症因子の関連は知られていない。そこで心エコーによる心房サイズ経時的変化と新規遅発性心房細動発症との関連を検討した。
【対象と方法】経皮的ASD閉鎖術を施行した成人41例(女76%)中、術前に心房細動・粗動、または中等度以上僧房弁逆流を合併した6人を除外し、35例を対象とした。左房・左室容積(Simpson法)と右房・右室面積(trace法)を治療前、治療後1日、治療後6か月の各時点で算出した。心房サイズの変化と新規心房細動の発症との関連を検討した。
【結果】治療前、治療後1日、治療後6か月における左房容積はそれぞれ35(23-52), 27(20-41), 28(23-44)ml/m2であり、右房面積はそれぞれ21(18-27),16(13-23),14(11-17)cm2/m2であった。左室拡張末期容量は47(21-87), 52(32-84),54(32-83)ml/m2、右室拡張末期面積は26(22-33)、23(18-28)、19(16-22)cm2/m2であった。左房容積は治療後一過性に低下するものの(p<0.05),治療後6か月では治療前とほぼ同じ容量となっていた。左室拡張末期容量は治療直後から増加し、治療後6か月には治療前より有意に増加していた(p<0.05)。一方、右房・右室面積は治療直後から治療後6か月にかけて有意な減少が見られた(p<0.05)。新規心房細動発症は1例(2.8%)にあり、その1例のみで治療後6か月における左房容積が治療前より増加していた。
【考察】治療後6か月での左房容積増加が経皮的ASD閉鎖後の新規心房細動発症に関連している可能性を示唆した。左→右短絡によりマスクされていた左室拡張不全が短絡閉鎖により顕在化し左房拡張から心房細動発症へつながるのではないかと推測した。
【対象と方法】経皮的ASD閉鎖術を施行した成人41例(女76%)中、術前に心房細動・粗動、または中等度以上僧房弁逆流を合併した6人を除外し、35例を対象とした。左房・左室容積(Simpson法)と右房・右室面積(trace法)を治療前、治療後1日、治療後6か月の各時点で算出した。心房サイズの変化と新規心房細動の発症との関連を検討した。
【結果】治療前、治療後1日、治療後6か月における左房容積はそれぞれ35(23-52), 27(20-41), 28(23-44)ml/m2であり、右房面積はそれぞれ21(18-27),16(13-23),14(11-17)cm2/m2であった。左室拡張末期容量は47(21-87), 52(32-84),54(32-83)ml/m2、右室拡張末期面積は26(22-33)、23(18-28)、19(16-22)cm2/m2であった。左房容積は治療後一過性に低下するものの(p<0.05),治療後6か月では治療前とほぼ同じ容量となっていた。左室拡張末期容量は治療直後から増加し、治療後6か月には治療前より有意に増加していた(p<0.05)。一方、右房・右室面積は治療直後から治療後6か月にかけて有意な減少が見られた(p<0.05)。新規心房細動発症は1例(2.8%)にあり、その1例のみで治療後6か月における左房容積が治療前より増加していた。
【考察】治療後6か月での左房容積増加が経皮的ASD閉鎖後の新規心房細動発症に関連している可能性を示唆した。左→右短絡によりマスクされていた左室拡張不全が短絡閉鎖により顕在化し左房拡張から心房細動発症へつながるのではないかと推測した。