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[II-PAL-05] 両大血管右室起始症におけるconotruncal criss-crossのCTによる評価と外科的病型分類
キーワード:両大血管右室起始症, Conotruncal Criss-cross, CT
【背景】両大血管右室起始症(DORV)の分類はVan Mieropらが提唱したconotruncal criss-cross理論が外科的術式との関連において理解しやすい。今回我々はCTの画像から漏斗部中隔(IS)と心室中隔(IVS)の関係を分析しDORVの外科的分類を試みた。【対象と方法】当院にて1998年以降手術を行ったDORV(PA、Heterotaxyを除く)33例のうち造影CTを行っており、画像上ISとIVSの形態が観察できた21例(解剖学的修復13例、機能的修復8例)を対象とした。後方視的に診療情報を閲覧した。MSCTによる画像は0.6mm厚で画像解析ソフト(TeraRecon社Aquarius)により解析を行った。2D画像の体軸断面画像を前額矢状方向から調整し両半月弁輪レベルに合わせ、その角度のまま尾側にスキャンしてISおよびIVSを描出した。IVS角度を0度として、それに対してISが左室方向を向く角度をL、右室方向をRとして、IVSに対するISの角度をL○°、R○°と表現しconotruncal criss-cross理論の分類との関係を検討した。【結果】IVSに対するISの角度が左室側を向いているものが11例(L群、L6°~L104°)、右室側を向いているものが10例(R群、R0°~R161°)ありL群はNGA群、R群はTGA群と分類した。L群のうち臨床的にSDNあるいはILINと診断されていたものは6例でL66°~L104°、SDDと診断されていたものは4例でL52°~L72°と前者の角度が深い傾向にあった。SDDと診断のうち2例はDoubly Committed VSDでTaussig Bingに近い形態と考えられた。残りの1例はL6°と角度が極端に浅くPosterior TGAと診断されていた。R群10例は全例SDDあるいはILLと診断されており10例中7例は角度が浅く (R0°~R33°)、角度が極端に深い2例(R102°,R161°)はACMGAと診断されていた。中間のR90°の1例は後方視的にILDと診断した。【考察】CTによるIVSとISの関係からconotruncal criss-crossを観察することはDORVの外科的病型分類上有用であり、術式選択の参考になることが示唆された。