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[II-PD7-06] 高肺血流型先天性心疾患に対し低酸素換気療法を行った極低出生体重児の発達予後
キーワード:極低出生体重児, 低酸素換気療法, 発達
【背景】高肺血流型先天性心疾患を合併した新生児に対し、窒素ガスを用いた低酸素換気療法の有用性および発達予後は知られているが、極低出生体重児における報告は少ない。【目的】低酸素換気療法を行った極低出生体重児の発達予後について調査すること。【対象】2007年1月から2015年12月に当院NICUに入院した極低出生体重児で、高肺血流型先天性心疾患に対し低酸素換気療法を行った5例。【方法】修正1歳6か月、3歳、6歳時の発達検査(新版K式発達検査、WISC-4)または発達外来でのADL評価について、診療録を用いて後方視的に調べた。【結果】人工呼吸管理下でFiO2 17~21%を目標に窒素ガス投与を行った。対象となった5 例中、染色体異常と奇形症候群を合併した2例を除外し3例で検討した。症例1:10歳女児、CoA複合。在胎28週、出生体重750g、窒素使用30日。日齢72、体重1620gでSubclavian flap手術、1歳と2歳でSAS解除術、5歳でRoss-Konno手術を行った。著明な発達遅延があり、6才時の新版K式発達検査でDQ(全領域)23であった。症例2:9歳女児、VSD、DORV。在胎31週、出生体重612g、窒素使用60日。日齢209、体重2580gで心内修復術を行った。新版K式発達検査で修正1歳6か月時DQ(全領域)76、3歳時DQ(全領域)61、WISC-4で6歳時IQ69であった。症例3:1歳5か月男児、総動脈幹症。在胎30週、出生体重1291g、窒素使用98日。日齢116、体重2328gで両側肺動脈絞扼術、7か月でRastelli手術を行った。修正1歳時のADLは発語なし、つたい歩き可。修正1歳6か月で新版K式発達検査予定である。【結論】3例とも二心室型疾患で、最終的に根治術に至った。長期フォローし得た2例は、軽度~重度の発達遅延を認める。