第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般ポスター(多領域専門職部門)

家族支援・ケア実践

一般ポスター(多領域専門職部門) 2 (II-TRP2)
家族支援・ケア実践

2017年7月8日(土) 18:15 〜 18:40 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:森貞 敦子(倉敷中央病院 小児病棟)

18:15 〜 18:40

[II-TRP2-04] 先天性心疾患術後患児のライン事故抜去予防ならびに身体抑制に関するカンファレンス導入効果

北山 未央1, 矢鋪 恵理1, 千原 由衣1, 北浦 可陽1, 西 綾子1, 辻 展行1, 吉田 真寿美1, 荒木 幹大2, 石丸 和彦2, 田口 利恵1, 中村 常之3 (1.金沢医科大学病院 集中治療室, 2.金沢医科大学 小児心臓血管外科, 3.金沢医科大学 小児循環器内科)

キーワード:カンファレンス, ライン事故抜去予防, 身体抑制

【背景】当院集中治療室は、2012年7月より先天性心疾患術後患者受け入れを再開し、近年手術件数が増加している。こども専門病院と異なり成人患者も混合する集中治療室のため、試行錯誤の中、小児術後患者の受け入れ態勢を整えてきた。しかし小児術後患者におけるライン類(気管チューブ、胃管、末梢・中心静脈・動脈ライン)の事故抜去件数が増加し、予防策が急務であった。またラインの挿入位置、場所の確認は担当者のみで実施していたため2016年10月からライン事故抜去予防のカンファレンスを導入した。【目的】カンファレンス導入の効果を検討する。【方法】カンファレンスを導入しその前後でライン事故抜去の件数を調査した。実施方法は毎朝リーダー看護師2名、担当看護師の計3名で行い、患児とラインの位置関係、当日抜去予定ラインの有無、固定による不快感等の有無、抑制を実施する場合は妥当性や代替案の有無、ライン整理、固定方法の検討に加え、留置中のすべてのラインの長さの確認を追加した。術直後は患児覚醒前にシーネ固定とライン整理を行い、四肢がラインに接触しない範囲の可動で最低限の抑制とした。また、シリンジから刺入部までを辿り緊急時の薬剤投与に対応可能なライン整理を毎日の業務とした。【結果】カンファレンス導入前後でライン事故抜去件数は2012年1/29例(3%)、2013年6/31例(19%)、2014年7/45例(15%)、2015年9/47例(19%)から2016年は2/60例(3%)へ減少した。また、特に強化したライン挿入位置確認の実施率は、カンファレンス導入後10月83.3%、11月80%、12月100%となった。【考察】ライン事故抜去予防には、カンファレンス導入により身体抑制のみを行う認識から適切なライン整理や固定方法へ視点を移し、かつ複数の異なる視点での確認と情報共有することが重要と考えられた。【結語】カンファレンス導入後、看護スタッフのライン固定に対する意識向上により、事故抜去件数を減少できた。