第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

川崎病・冠動脈・血管

ポスター (III-P41)
川崎病・冠動脈・血管 2

2017年7月9日(日) 13:00 〜 14:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:唐澤 賢祐(日本大学医学部小児科/唐澤医院)

13:00 〜 14:00

[III-P41-03] 不全型川崎病に合併した乳児僧帽弁腱索断裂の1例

松尾 倫1, 本田 啓1, 八浪 浩一1, 深江 宏治2 (1.熊本市民病院 小児循環器, 2.熊本市民病院 小児心臓外科)

キーワード:乳児僧帽弁腱索断裂, 不全型川崎病, 急性心不全

背景:乳児僧帽弁腱索断裂は急性循環呼吸不全を来すまれな疾患である. 発熱以外の主症状がなく自然解熱の得られた不全型川崎病に僧帽弁腱索断裂を合併した症例を経験したので報告する.症例:7ヶ月 女児. 熱源不明の発熱(38-39度)が6日間持続後自然解熱(36-37度). その他の川崎病主症状なくBCG部位の発赤も認められなかった. 発熱後12日目頃より哺乳低下、尿量減少あり.14日目に来院. gallop rhythm,心雑音を聴取. 心臓超音波検査を施行.腱索断裂による重度の僧帽弁逆流と冠動脈拡大所見(Zscore); RCA3.51, LMCA5.40, LAD5.31が認められた.laboratory dataにてC-reactive protein(CRP), brain natriuretic peptide(BNP),血小板の上昇, Hb,アルブミンの低下が認められた.冠動脈病変、laboratory dataより不全型川崎病に合併した弁膜障害と診断. 炎症反応陽性が持続していたためIVIGとsteroids による治療後、僧帽弁形成術を施行した.術後経過は良好であり冠動脈病変も改善が得られている.結語:川崎病主症状に乏しく自然解熱が得られる不全型川崎病においても僧帽弁腱索断裂のような重篤な弁膜障害が生じ得る.