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[III-TRO5-01] 第2回フォンタン術後の患者・家族会開催報告~患者・家族のニーズを知る~
キーワード:フォンタン手術, 交流会, 移行期支援
【背景】A病院では成人移行期支援外来に加え、平成27年から年に1回、フォンタン術後の患者・家族会を開催している。【目的】患者・家族会を開催しアンケートを実施することで、患者と家族の移行期支援外来や集団患者教育に対するニーズを明らかにする。【対象と方法】患者・家族会に参加したA病院通院中の4歳以上の患者を持つ20家族を対象とした。主に家族を対象としたプログラムでは移行期支援外来の説明、フォンタン術後の社会人及び大学生による体験談、兄弟の体験談、成人領域循環器外来と医師の紹介、座談会を実施した。もう一方では、患者本人を対象とし、運動療法を兼ねた体操、診察室の模擬体験、身体についてのクイズを実施した。会終了時に無記名方式で家族及び家族と同じプログラムに参加した患者にアンケート1を実施した。後日、会終了後の心境の変化と会や移行期支援に対する要望を聞いたアンケート2を郵送により行い検討した。以上は院内倫理審査委員会で承認を得た。【結果】本人の体験談、兄弟の体験談について、「良かった」と答えた家族が86%と特に高かった。心境の変化と会や移行期支援への要望について、1)病気について2)就学・学校について3)将来について4)成人病院への移行について5)その他の5つにカテゴリー化することができた。会に参加することで改めて自己の疾患について家族で話し合う機会となっていたが、加えて様々な不安の記載も多くあった。自由記載では、会自体が情報共有や交流の場となっているとの回答が多かった。【考察】会の内容について満足度は高かったが、家族は将来についての不安を抱えていることが分かった。このことから体験談や座談会から得られる情報や、家族同士での情報交換が、不安の解消や問題解決となるのではないかと考える。【結語】患者家族のニーズを反映させ、会の更なる充実と患者支援につなげていきたい。