09:20 〜 10:20
[III-TRO6-03] 植込み型除細動器植込み手術を受ける患児に対する子ども療養支援士の役割
キーワード:植込み型除細動器(ICD), 子ども療養支援士(CCS), 心理支援
【はじめに】成人の植込み型除細動器(ICD)植込み患者の精神的ケアに対する研究は多く報告されているが、小児の報告は未だ少ない。今回、不整脈による失神を起こし、ICD植込み手術を受けた患児に対し、医師の依頼を受けて不安や恐怖に対する介入を行った。その介入を振り返り、子ども療養支援士(Child Care Staff:CCS)の役割について報告する。
【方法】ICD植込み手術を受けた2例の診療記録からCCSの介入と患児の反応を振り返り、CCSの役割について検討した。発表に関して患児家族の許可を得て行い、個人が特定されないよう配慮した。
【結果】対象は6歳と13歳の女児。2例とも転院時より環境の変化や先の見通しへの不安があり、13歳の児は失神再発の恐怖で歩行が困難になっていた。CCSの介入は『入院環境の適応』『感情表出』『病気や治療説明後の理解』『検査・手術の心の準備と達成感』『失神発作の不安』に分類された。遊びを通して感情表出を助け医療者へ代弁したり、検査・手術時は発達に応じたツールを用いて心の準備と達成感が得られるフィードバックを行った。失神発作の不安では、患児のペースで語れるようにし発作時の対処方法を一緒に考えた。この結果、6歳の児は「早くシールもらいに検査行きたい」と前向きな姿勢を示し、「手術怖かったけどできた」と達成感を表現していた。13歳の児は「転院して何をするのかわかって良かった」と見通しが持てたことや、「たくさん話を聞いてもらったら落ち着いた」と話した後に歩行ができるようになり、さらに「麻酔の時お母さんがいれば安心できる」と手術を乗り越える方法も自ら考えられるようになった。CCSが医療者と協働して介入することで、患児らは主体的に治療に臨めるようになっていった。
【結論】CCSは、患児が安心と信頼を持って医療者と一緒に治療に取り組めるよう、患児の立場で医療を調整する役割を担っていた。
【方法】ICD植込み手術を受けた2例の診療記録からCCSの介入と患児の反応を振り返り、CCSの役割について検討した。発表に関して患児家族の許可を得て行い、個人が特定されないよう配慮した。
【結果】対象は6歳と13歳の女児。2例とも転院時より環境の変化や先の見通しへの不安があり、13歳の児は失神再発の恐怖で歩行が困難になっていた。CCSの介入は『入院環境の適応』『感情表出』『病気や治療説明後の理解』『検査・手術の心の準備と達成感』『失神発作の不安』に分類された。遊びを通して感情表出を助け医療者へ代弁したり、検査・手術時は発達に応じたツールを用いて心の準備と達成感が得られるフィードバックを行った。失神発作の不安では、患児のペースで語れるようにし発作時の対処方法を一緒に考えた。この結果、6歳の児は「早くシールもらいに検査行きたい」と前向きな姿勢を示し、「手術怖かったけどできた」と達成感を表現していた。13歳の児は「転院して何をするのかわかって良かった」と見通しが持てたことや、「たくさん話を聞いてもらったら落ち着いた」と話した後に歩行ができるようになり、さらに「麻酔の時お母さんがいれば安心できる」と手術を乗り越える方法も自ら考えられるようになった。CCSが医療者と協働して介入することで、患児らは主体的に治療に臨めるようになっていった。
【結論】CCSは、患児が安心と信頼を持って医療者と一緒に治療に取り組めるよう、患児の立場で医療を調整する役割を担っていた。