[I-MOR03-03] ファロー四徴に対する右室流出路形成術の遠隔成績
キーワード:ファロー四徴, 肺動脈弁狭窄, 肺動脈弁逆流
【緒言】ファロー四徴(TOF)は,術後早期から肺動脈弁狭窄(PS)または肺動脈弁逆流(PR)が問題となる.そのため,術前の右室流出路の評価及び適切な術式の選択が重要とある.
【目的と方法】当院におけるTOFに対する手術方法を再検討する目的で,根治手術として心内修復術(ICR)(DORVに対する心内Reroutingを含む)を行ったTOFの術後遠隔期所見を,診療録から後方視的に検討した.2006年4月1日から2017年3月31日に当院でICRを施行した73例(TOF 64例,DORV 9例)を対象とした.
【結果】男児41例(56%).17例(23%)に染色体異常の合併を認めた.術前診断はTOF/PS 57例,TOF/PA 9例,TOF/AVSD 4例,TOF/Absent PV 3例であった. ICR前にBT shuntを36例(49%)に施行,ICR時年齢は1ヵ月から15歳2ヵ月 (中央値1歳0ヵ月),ICR時の体重は2.5kgから43kg (中央値8.1kg).術式は弁輪温存が39例,一弁付きパッチを用いた主肺動脈-右室流出路切開法(TAP法)が19例,自己弁を温存したTAP法(弁輪温存/TAP)は6例,Rastelli型手術(後壁に自己心膜を補填,前壁のみ一弁付きパッチを使用)が9例であった. ICR時からの平均フォローアップ期間は5年4ヵ月(1ヵ月から11年3ヵ月)であり,フォローアップ中に右室流出路再建術は11例(15%)に施行した.弁輪温存での再手術は2例のみ(5%)であったが,TAP法は19例のうち5例(26%),弁輪温存/TAPでは3例(50%)が再手術となった.またRastelli型手術では1例(11%)が再手術となった.再手術の適応は,弁輪温存でのPS 2例,そのほかではPR 5例,右室瘤形成によるPS/PR 3例,Branch PS/PR 1例であった.周術期死亡はないが,経過観察中に死亡した症例は1例であった.
【考察/結語】当院における弁輪温存の選択は適切であると考えられた.初期に行っていた弁輪温存/TAP法ではPRが問題となる症例が多く,半数が再手術となっており,弁輪温存が期待できない症例では一弁付きパッチを用いたTAP法が適切であると考えられた.
【目的と方法】当院におけるTOFに対する手術方法を再検討する目的で,根治手術として心内修復術(ICR)(DORVに対する心内Reroutingを含む)を行ったTOFの術後遠隔期所見を,診療録から後方視的に検討した.2006年4月1日から2017年3月31日に当院でICRを施行した73例(TOF 64例,DORV 9例)を対象とした.
【結果】男児41例(56%).17例(23%)に染色体異常の合併を認めた.術前診断はTOF/PS 57例,TOF/PA 9例,TOF/AVSD 4例,TOF/Absent PV 3例であった. ICR前にBT shuntを36例(49%)に施行,ICR時年齢は1ヵ月から15歳2ヵ月 (中央値1歳0ヵ月),ICR時の体重は2.5kgから43kg (中央値8.1kg).術式は弁輪温存が39例,一弁付きパッチを用いた主肺動脈-右室流出路切開法(TAP法)が19例,自己弁を温存したTAP法(弁輪温存/TAP)は6例,Rastelli型手術(後壁に自己心膜を補填,前壁のみ一弁付きパッチを使用)が9例であった. ICR時からの平均フォローアップ期間は5年4ヵ月(1ヵ月から11年3ヵ月)であり,フォローアップ中に右室流出路再建術は11例(15%)に施行した.弁輪温存での再手術は2例のみ(5%)であったが,TAP法は19例のうち5例(26%),弁輪温存/TAPでは3例(50%)が再手術となった.またRastelli型手術では1例(11%)が再手術となった.再手術の適応は,弁輪温存でのPS 2例,そのほかではPR 5例,右室瘤形成によるPS/PR 3例,Branch PS/PR 1例であった.周術期死亡はないが,経過観察中に死亡した症例は1例であった.
【考察/結語】当院における弁輪温存の選択は適切であると考えられた.初期に行っていた弁輪温存/TAP法ではPRが問題となる症例が多く,半数が再手術となっており,弁輪温存が期待できない症例では一弁付きパッチを用いたTAP法が適切であると考えられた.