[I-OR05-03] VAD装着後に施行する心臓カテーテル検査の有用性と安全性
キーワード:補助人工心臓, カテーテル検査, 心臓移植
【背景】多様な血行動態背景を有する小児重症心不全患者において、特に移植待機期間の長い我が国では、心室補助装置(VAD)装着後もデバイス設定管理や薬物管理を含めた精緻な心不全コントロールが重要であるが、VAD装着後の血行動態管理に関する報告は少ない。
【目的】VAD装着後小児心不全患者のフォローカテーテル検査の安全性と有用性を検証する。
【対象】当院で2003年以降にVAD装着(Rota flow等によるtemporary VADは除く)を行った15歳以下の患者36例
【結果】原疾患はDCM 21例、RCM/rDCM 8例、その他7例であった。デバイスは、Nipro VAD 10例、EXCOR 14例、Jarvik2000 6例、Heart Ware 5例、EVAHEART 1例であった。装着時年齢は4ヶ月-15歳、21症例で装着後にカテーテル検査を行い、のべ36回施行していた。装着後から初回カテーテル検査までは平均3.1ヶ月、2回目は平均9.7ヶ月、3回目は平均21.7ヶ月後であった。36回の検査のうちVADオフテストは13回で施行、検査中のVAD設定調整は22回で行っており、その時の血行動態変化を踏まえて8回 (DCM 3回, RCM 3回, その他2回) で検査後にVAD設定の変更を行った。検査中のペーシングレート調整が3回の検査で行われ、ドブタミン投与テストの後、ドブタミン持続投与開始となったのが2回あった。カテーテル検査の合併症として、穿刺部再出血が12回(いずれも軽度)、輸血を要する後腹膜血腫が1回あった。転帰は、国内移植11例、海外移植5例、待機中9例、VAD離脱4例、死亡7例であった。
【結語】VAD装着中は強力な抗凝固療法が行われており心臓カテーテル検査には注意が必要であるが、長期のVAD管理を行う上で最適な条件をカテーテル検査で検討することは有用であると考えられた。これらの結果をもとに、当院ではVAD装着後のフォローアッププロトコルを作成し、定期的に血行動態評価を行っている。実際に検査の有用性が高かったと思われる実例を示して報告したい。
【目的】VAD装着後小児心不全患者のフォローカテーテル検査の安全性と有用性を検証する。
【対象】当院で2003年以降にVAD装着(Rota flow等によるtemporary VADは除く)を行った15歳以下の患者36例
【結果】原疾患はDCM 21例、RCM/rDCM 8例、その他7例であった。デバイスは、Nipro VAD 10例、EXCOR 14例、Jarvik2000 6例、Heart Ware 5例、EVAHEART 1例であった。装着時年齢は4ヶ月-15歳、21症例で装着後にカテーテル検査を行い、のべ36回施行していた。装着後から初回カテーテル検査までは平均3.1ヶ月、2回目は平均9.7ヶ月、3回目は平均21.7ヶ月後であった。36回の検査のうちVADオフテストは13回で施行、検査中のVAD設定調整は22回で行っており、その時の血行動態変化を踏まえて8回 (DCM 3回, RCM 3回, その他2回) で検査後にVAD設定の変更を行った。検査中のペーシングレート調整が3回の検査で行われ、ドブタミン投与テストの後、ドブタミン持続投与開始となったのが2回あった。カテーテル検査の合併症として、穿刺部再出血が12回(いずれも軽度)、輸血を要する後腹膜血腫が1回あった。転帰は、国内移植11例、海外移植5例、待機中9例、VAD離脱4例、死亡7例であった。
【結語】VAD装着中は強力な抗凝固療法が行われており心臓カテーテル検査には注意が必要であるが、長期のVAD管理を行う上で最適な条件をカテーテル検査で検討することは有用であると考えられた。これらの結果をもとに、当院ではVAD装着後のフォローアッププロトコルを作成し、定期的に血行動態評価を行っている。実際に検査の有用性が高かったと思われる実例を示して報告したい。