[I-OR07-02] 大阪市立総合医療センター小児不整脈科で施行したアブレーション872症例、1020件の検討
Keywords:catheter ablation, arrhythmias, single-center experience
【目的】大阪市立総合医療センター小児不整脈科で施行したアブレーション治療症例について成功率、再発率、合併症などを、後方視的に検討し報告する。【対象】2006年6月から2017年12月までに大阪市立総合医療センター小児不整脈科でアブレーション治療を施行した患者872例、1020件。【結果】1020件の内訳は年齢の中央値12.5歳 (2ヶ月-67歳)、体重の中央値37.2kg (3.6-95.5kg)、1歳未満は17件、15kg未満は100件。全症例872例のうち、アブレーション治療を複数回施行した症例は、2回が96例、3回が20例、4回が4例。先天性心疾患合併例は140例。疾患の内訳はWPW症候群 372例(顕性196例、間欠性57例、潜在性90例)、副伝導路の部位は左側204例、右側105例、中隔側75例。房室結節回帰性頻拍(AVNRT) 177例。心室性不整脈205例(心室期外収縮74例、非持続性心室頻拍62例、持続性心室頻拍69例)。部位は右室流出路99例、右室流入路24例、右室心尖部6例、三尖弁輪8例、左側流出路16例、左脚後枝36例、左脚前枝13例、僧帽弁輪3例。心房期外収縮5例、心房頻拍78例、心房内回帰性頻拍82例(うち心房粗動50例)、心房細動11例、接合部異所性頻拍5例、永続性接合部回帰性頻拍(PJRT) 9例。クライオアブレーションは41件に施行した。1回の治療で不整脈が消失した症例は784例(90%)、臨床的に改善した42例を含めると826例(95%)に治療効果が得られた。再発は87例(10%)。WPW症候群は部位による成功率に差はなく、再発率は左側副伝導路 6%、右側副伝導路16%、中隔側副伝導路16%。AVNRTは成功169例(95%)、再発10例(6%)。重篤な合併症は無症候性心筋虚血、手術を要した心タンポナーデ、ペースメーカー植込みを要した完全房室ブロックの3例。他の合併症として、大腿動静脈瘻を10例に認め、うち6例は自然閉鎖した。文献的考察を交えて報告する。