[I-OR09-01] 川崎病後遠隔期における冠動脈内膜病変の診断:Optical coherence tomographyで検出されたAcute coronary syndrome基質の予測因子
キーワード:川崎病, 画像診断, 急性冠症候群
【背景】川崎病(KD)遠隔期管理において心イベントを予防するが重要である.生化学マーカー,冠動脈危険因子などの関与が示唆されるが,予測因子は未だに不明である.我々は川崎病遠隔期においてOptical coherence tomography (OCT)を施行してAcute coronary syndrome(ACS)基質となるFibroatheroma(FA),Microvessels(MC),Fibrocalcific plaque(FC),Thombi(T),Ruptured plaque(RP)を報告した.【目的】OCTで検出されたACS基質の予測因子について検討すること.【方法】罹患後15年以上経過し急性期の心エコー,発症後6か月以内と最近CAGからKD後冠動脈病変(CAL)が確定診断されている症例を対象とした.CALの診断は,発症時から正常をnormal segment(NS),退縮瘤(RAN),遺残動脈瘤(PAN),局所性狭窄(LS)とした.OCTにより区域毎に,内膜性状をFibroatheroma,Microvessels,Fibrocalcific plaque,Thombi,Ruptured plaqueに分類した.いずれも区域別に検討し,Dual Souse computed tomography(CT)を用いた造影冠動脈CTでは,石灰化内膜肥厚(C-intima)の有無で分類した.説明変数として,C-intima(壁診断)とCAL(PANもしくはLSの有無)(内腔診断)を用いて多変量ロジスティック回帰を行った.【結果】OCTとCTは11例に施行され,51区域で検討しFAを16,MCを18,FCを20,Tを13,RPを4区域に認めた.C-intimaは独立してFC(adjusted odds ratio [OR], 34.6; 95% confidence interval [CI]: 5.68-211, P = 0.0001)と,MC(adjusted OR, 9.25; 95% CI: 2.16-39.7, P = 0.002)を予測した. 両変数ともに,FA,TやRPとは関連を認めなかった.【結語】CTによる壁診断は,OCT上のFCとMCの予測に有用であり,川崎病遠隔期における低侵襲な管理指標となり得る.