第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

電気生理学・不整脈

一般口演24(II-OR24)
電気生理学・不整脈 3

2018年7月6日(金) 10:10 〜 11:00 第4会場 (303)

座長:岩本 眞理(済生会横浜市東部病院 こどもセンター)
座長:高室 基樹(北海道立子ども総合医療・療育センター 小児循環器内科)

[II-OR24-04] 頻拍の既往のないFontan(APC)症例に施行したEPSの検討

豊原 啓子, 西村 智美, 谷口 宏太, 工藤 恵道, 竹内 大二 (東京女子医科大学 循環器小児科)

キーワード:Fontan, 上室頻拍, アブレーション

背景:Fontan(APC)術後はRAの拡大により経年的に上室頻拍(SVT)の頻度が増加する。SVTの出現を契機としてTCPC変換手術を行うことが多かったが、最近はRAの拡大のみでTCPC変換手術を施行する傾向にある。目的:TCPC変換手術前に、頻拍の既往のないAPC症例に施行したEPSを検討する。症例:20例、EPS時の年齢は23±5歳(17~37歳)、APC施行年齢は4±3歳(1~14歳)、APCからEPSまでの期間は18±3年(13~25年)、中心静脈圧(CVP)は12±2(9~17)mmHg、RA容積は93±38(46~161)ml/m2であった。結果:20例中10例はSVTが誘発されずカテーテルアブレーション(CA)は施行しなかった((-)群)。10例(50%)にSVT(1~5 SVT)が誘発されたため、すべてのSVTに対してCAを施行した((+)群)。(-)群と(+)群を比較して有意差を認めたのは、EPS時の年齢(20±2 vs. 27±6 歳、p=0.005)、APCからEPSまでの期間(16±1 vs. 21±3 年、p=0.001)であった。APC施行年齢、CVP、RA容積には両群に有意差を認めなかった。結論:臨床的にSVTを認めなくてもAPC症例は経年的にSVTが起こりうる。