第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演28(II-OR28)
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2018年7月6日(金) 09:50 〜 10:50 第6会場 (411+412)

座長:稲毛 章郎(榊原記念病院 小児循環器科)
座長:豊野 学朋(秋田大学大学院医学系研究科 医学専攻 機能展開医学系 小児科学講座)

[II-OR28-02] 心筋T1 mappingを用いた先天性心疾患における心筋線維化の評価

武井 黄太, 安河内 聰, 瀧聞 浄宏, 内海 雅史, 中村 太地, 川村 順平, 浮網 聖実, 前澤 身江子, 沼田 隆佑 (長野県立こども病院 循環器小児科)

キーワード:T1 mapping, 心臓MRI, 先天性心疾患

【背景】心筋の線維化は先天性心疾患(CHD)においても心機能に影響を与えることが報告されており、心臓MRIでは遅延造影(LGE)を用いて評価されてきた。近年、心臓MRIにおける心筋組織性状評価法としてT1 mapping(T1m)が臨床応用されており、非造影で定量可能である点で優れている。【目的】CHDの心筋組織性状をT1mを用いて評価し、LGEと比較して検討すること。【方法】対象は2017年5月~2018年1月に当院にてCHDの評価目的で心臓MRI検査を行い、LGEおよびT1mを撮像した26例(18.2±4.3歳、男性13例)。心疾患の内訳はTOF/DORV心内修復術後8例、TGA/DORV大血管スイッチ術後5例、Fontan術後6例、その他7例。MRI撮影装置Multiva 1.5T(Philips社製)を用いてLGEおよびMOLLI法によるT1mを含めた撮影を行った。LGEおよびT1mは体心室短軸像の心尖、中部、基部の3断面においてそれぞれ心筋を6セグメントに分割し、各セグメント毎にROIを設定して非造影T1(NT1)時間の平均を測定するとともにLGE陽性部の局所の平均NT1時間も測定した。尚confidence mapにより除外された範囲が大きいセグメントでは計測から除外した。【結果】26例中LGE陽性(L+)8例、陰性(L-)18例で、L+では合計8セグメントでL+であった。L+セグメントのNT1時間は1141±73、L-セグメントは1074±45で、L+ではL-と比較して有意に高値であった(P=0.002)。またL+部局所のNT1時間は1137~2623(平均1939)で1ヶ所を除いてL-部の全てのNT1時間よりも高値であった。【考察】T1mはLGEとほぼ同等の結果が得られておりCHDの心筋線維化の評価に有用で、非造影である点で優れていると考えられた。