[III-PD06-01] この症例をどうするか?
Keywords:完全大血管転位, 肺動脈弁狭窄, 動脈管依存性
症例は,日齢29,体重3.3kgの女児.周産期に特に異常指摘されず,前医にて在胎38週,自然分娩で出生.出生体重2620g.Apgar8/9であったが,出生後より5分過ぎよりSpO2:70%台で当院に新生児搬送された.当院到着後,心エコーにて,完全大血管転位,流出路心室中隔欠損,肺動脈弁狭窄(肺動脈二尖弁),単一冠動脈(Shaher3c:[2L Cx, 2R])と診断された.肺動脈弁輪は,4.5mm(Z-score:-4.4),心室中隔欠損は6mm台,心房中隔欠損は8mm台であった.入院後,PGE1持続静注開始するも肺高血流傾向となり,日齢2に中止,SpO2:80%台で一時安定したが,動脈管の狭小化に伴いSpO2:60~70%台への低下傾向あり,日齢8頃から酸素投与,日齢13よりPGE1持続静注再開した.再開後は一旦改善を認めたが,体重3kgを越した日齢20頃から再度低酸素血症が進行した.心エコー上,S字走行で屈曲した動脈管は2mm台であったほか,心房中隔欠損が3mm台と狭小化傾向を認めた.日齢26にカンファレンスを行い,解剖学的な条件および将来をみすえた進むべき方向性について討論,方針を決定し日齢29に治療介入した.